税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

謹賀新年 2022.01.03

みなさま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

写真は小売り各社の初売りに向かうため、大阪へ行った途中に立ち寄った露天神社(つゆのてんじんじゃ)。この神社は人形浄瑠璃の題目から「お初天神」の名でよく知られていています。神社そのものは雑居ビルやアーケード商店街のあいだに挟まれ、こじんまりとして梅田駅から徒歩約10分ですが、都会の喧騒の中でオアシスのような場所。この日も正月にかかわらず参拝者は、まばらでひっそりとしていました。IMG_0254

一方、初売り店舗はどこも開店前から多くの行列客が出いていて、こちらの客足は前年から大きく回復している様子。ミナミの街も多くの人たちが繰り出していて、もとに戻ってきたように感じます。新聞記事によると、主要企業106社に実施したアンケートでは、2022年の国内景気を拡大傾向と見込んだ企業は84%(過去5年の年初まとめと比べて最も高かった)にものぼったとのこと。新型コロナウイルスが日本の国民へ大きな影響を与えてもう丸2年、ことしこそ収束して力強い経済の回復を望みたいものです。IMG_0256IMG_0255

 

令和4年1月1日以後の対象者へ、税務署から『「国外財産調書制度」のあらまし』 2021.12.27

居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方で、その年の1231日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、その年の翌年の315日までに、住所地等の所得税務署に提出しなければなりません。なお、国外財産調書の提出に当たっては、別途「国外財産調書合計表」を作成し、添付する必要があります。(『「国外財産調書制度」のあらまし』より)

ここでの「「非永住者」の方を除きます」の「非永住者」とは、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である方をいいます。したがって、日本の国籍を有してない方でも、過去10年間の期間で国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年を超えた場合(非永住者以外の居住者)、その超えた年から翌年315日まで国外財産調書の提出義務が生じます。

つまり、令和312月末で国外財産の合計額が5,000万円を超える方については、令和3年分の所得税の確定申告書の提出義務の有無にかかわらず、令和4315日までに国外財産調書の提出が必要になりますのでご注意ください。なお、合わせて財産債務調書を提出する場合には、その財産債務調書には、国外財産調書に記載した国外財産に関する事項の記載は要しない(国外財産の価額を除く。)こととされています。

11月以降の売上減少に対応「事業復活支援金」 2021.12.20

新型コロナウイルスの影響で売上が減少している事業者に対し、国が給付してきた給付金や支援金。これまで「持続化給付金」から始まり、「一時支援金」そして202110月分までの売上減少を対象としている「月次支援金」も申請期限が202217日に迫ってきました。「月次支援金」は申請前に登録確認機関の事前確認が必要で、その確認が受けられるのが申告期限の数日前までのため、遅くとも20211228日には確認の受付けを行う必要あるのでご留意ください。

また、202111月以降の売上減少に対しては、先月閣議決定され、令和3年度補正予算案として28032億円が計上される予定の「事業復活支援金」で対応する見通しです。支援金の概要は、20223月までの見通しが立てられるよう、コロナ禍で大きな影響を受ける事業者に地域・業種を問わず、固定費負担の支援として、5か月分(202111月~20223月)の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付します。

給付対象者は、新型コロナの影響で202111月~20223月のいずれかの月の売上高が50%または30%~50%減少した事業者(中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者)で、給付額は前述5か月分の売上高減少額を基準に算定され、法人は上限最大250万円、個人事業者は上限最大50万円が給付されます。現在のところ、給付額の算定方式・売上高の減少率の対象基準年・登録確認機関の事前確認が必要か等、明らかにされていない点もありますが、今後は予算案が成立されしだい経済産業省(中小企業庁)のホームページ等から詳細が発表されるものと思われます。

『電子保存義務化 2年猶予』 2021.12.13

原則、紙での保存が義務付けられている帳簿書類について、電子データ(電磁的記録)で保存をするための要件や電子データでやり取りした取引情報の保存義務などを定めた「電子帳簿保存法」、「① 電子帳簿・電子書類保存」「② スキャナ保存」は法律上任意ですが、「③ 電子取引」は規模に関わらず全ての法人・個人事業者に、令和411日からきちんとした対応が求められていました。

とくに中小企業にとって影響する取引として、電子メールで請求書・領収書その他これらに準ずる書類がPDFで添付されるものを受け取ったケースで、請求書等をPDFからの出力書面等による保存に代わり、専用のソフトウェアやタイムスタンプを使わない場合、① 請求書データ(PDF)のファイル名に規則性をもった内容を表示する ② 取引の相手先や各月などの任意のフォルダに格納するなど、追加で煩雑な事務作業が必要になり、施行日が迫った12月現在でも対応が困難な状況でした。

そのような中、126日付日本経済新聞の記事『電子保存義務化 2年猶予』では「政務・与党は20221月に施行する電子帳簿保存法に2年間の猶予期間を設ける。」と報じられました。「近くまとめる22年度与党税制改正大綱に盛り込み、年内に関連の省令を改正する。」とのことで、さしあたって2年間は従来の保存方法でも容認されるようです。これは日本のデジタル化の遅れというより、改正後も紙と電子の二重管理が必要なこと、法改正の認知度の低さなど、改正法自体とその方法に問題があったのではと思います。

紅茶のニルギリ 2021.12.06

先週の平日、所属する税理士会の所用で一日中大阪へ。午前の行事が無事終了し、午後の予定まで少し時間があったので、近畿税理士会館のある天満橋から電車1駅分を約20分で歩いて、「北浜レトロ」で紅茶をいただくことに。この「北浜レトロ」は本格的ブリティッシュ・ティーを出す有名店で、古い洋館の建物は1912年にもともと証券会社の商館として建てられました。現在は国の登録有形文化財にも指定されていて、「北浜レトロビルヂング」として1階は紅茶や雑貨などの販売、2階は喫茶店として使用されています。IMG_0243IMG_0241

建物の内部は英国風というより、内装やインテリアなどはすべて英国のもので使われていて、英国にいる雰囲気のよう。わたしのオーダーは、「紅茶のブルーマウンテン」と呼ばれている南インドのニルギリ丘陵でつくられる「ニルギリ(Nilgiri Tea)」。紅茶はまったく詳しくないですが、クセが少なく、すっきりとして飲みやすいのが特徴。飲み方は大と小とふたつのポットが出てきて、小さい方のポットにはすでにニルギリ茶葉と熱湯が入っていています。それがなくなると大のポットに入っている熱湯を注ぎ、延々と紅茶を楽しむことができます。ちなみにこの店は制限時間が90分となっていますが、たえず入店を待つ行列ができていて長居する気になれませんでした。メニューには英国式のアフタヌーンティー・セットもあり、大阪のビル街の一角でちょっとした旅行気分を味わうことができます。

IMG_0236

湖東 百済寺の紅葉 2021.11.29

先週後半から急に寒くなってきましたが、わたしは湖東三山の中で最も歴史が古く、いま紅葉が見ごろの百済寺(東近江市)へ行ってきました。当日出発する大津・草津辺りはまだ晴れ間もある天気でしたが、名神高速に入って北上するにつれ少しずつ冬空になり、八日市インターを出て田園地帯を通る頃みぞれ交じりの冷たい雨に。このあたりは同じ滋賀県でも、湖南と湖東の気候のちがいを感じます。

この百済寺は平安時代、押立山(771.8m)の山腹で大伽藍を構えていましたが、たびたびの火災や戦火でほとんどは焼失してしまったそうです。現在も山そのものを使った広大な敷地や立派な石垣は残っていて、たくさんの石段を上がっていかないといけないのは、参拝しているというより山登りといった感覚。写真は長い石段の参道を登ったところにある仁王門で、正面の約2.5mの大草履はこの寺のシンボルになっています。

IMG_0227

本堂に向かう参道を登っていくと、目に入る紅葉した木々、苔むした石段とそこに落ちている色づいた葉っぱのコントラストはこの季節らしい趣きを堪能することができます。寺の大きな敷地の中にある山の中腹の遠望台からは、寺の本坊越にそこだけ日差しに照らされた湖東平野を一望でき、安土城跡や太郎坊の先には琵琶湖の湖面や比叡山まで見渡せ、なかなか壮大な風景を楽しむことができました。IMG_0228IMG_0218

連結納税、来年度から「グループ通算制度」へ移行 2021.11.22

親会社と100%子会社の企業グループを一つの企業として法人税を納税する連結納税制度、202241日から開始する事業年度から「グループ通算制度」に移行されます。新しい制度では税務調査で税額の修正などがあった場合でも、連結納税制度では行ってきたグループ全体の税金の再計算は基本的に不要で、修正のあった法人のみの再計算で済みます。企業にとっては損益通算のメリットは維持しつつ事務負担の軽減ができ、また申告書の作成などに関与する我々税理士にとってもありがたい制度です。

現在、連結納税を採用している企業は、原則自動的に「グループ通算制度」に移行することになっていて、ほとんどの企業が新制度に移行すると見込まれています。また、「グループ通算制度」移行前に、連結親法人が『グループ通算制度へ移行しない旨の届出書』を税務署長へ提出した場合には、連結納税から通算制度を適用しない単体納税に戻ることもできます。

連結納税を採用していなかった企業が「グループ通算制度」の適用を受けようとする場合には、同一の通算グループとなる法人のすべての連名で、『通算制度の承認の申請書』を通算親法人となる法人の所轄税務署長を経由し、国税庁長官に提出することになります。その提出期限は、通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の3月前の日までとなっていて、新制度がスタートする202241日から適用するのであれば、今年の12月末までに提出が必要になりますので注意が必要です。

草津市や栗東市は、滋賀県事業継続支援金(第3期)に上乗せ給付を行います 2021.11.15

新型コロナウイルスの影響を受ける滋賀県内の中小企業等・個人事業主で、「① 9月分または10月分の国の「月次支援金」を受給した方 ② 20219月または10月のいずれかの月の売上が前年または前々年の同月に比べて50%以上減少した方 ③ 20219月と10月の売上の合計が前年または前々年の9月と10月の売上の合計に比べて30%以上減少した方」のいずれかに該当する支給対象者が受給できる「滋賀県事業継続支援金(3)」(支給額:中小企業等 20万円、個人事業主 10万円)、申請期間については1130日(火)まで(郵送申請は当日消印有効)となっています。

また、草津市・栗東市では、滋賀県事業継続支援金(3)の上乗せとして、「草津市事業継続支援金」、「栗東市事業継続応援支援金」を給付することが決定されました。給付要件は滋賀県事業継続支援金(3)の給付決定を受けていること(申請の際、給付決定通知書の写しなど必要)、給付額は中小企業等 10万円・個人事業主 5万円になります。申請の受付期間は、現在のところ202112月上旬から20221月下旬を予定していますが、内容は今後変更される可能性があり、詳細は決まりしだいホームページなどでお知らせされるとのことです。

人生100年時代の無形の資産 2021.11.08

2か月前からNHKの『ラジオビジネス英語』(講師 柴田真一)をよく聞いています。放送は毎週月曜から金曜まで、月曜・火曜はビジネス英会話、水曜は英文メール、木曜・金曜は各界の著名人へのインタビューとそれぞれパートがあり、いろんな状況でバランスよく英語を学習できるようになっています。とくに木曜・金曜のインタビューはレベル的に上級(わたしの感想)になりますが、インタビューされた方の考え方や世界観が表現された英語なので、より理解しようとして聞くようになります。IMG_0212

とくに10月号木曜・金曜のインタビューでのリンダ・グラットンさん(英国人女性、教授・作家・経営コンサルタント)の話しは興味深かった。グラットンさんは2016年「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)-100年時代の人生戦略」を共著で出版し日本でベストセラー、安倍首相(当時)の人生100年時代構想会議メンバーにも唯一外国人として招へいされた方。たとえばインタビューのなかで、グラットンさんは超高齢化社会を生きていくうえで重要なものは、金融資産のほかに無形の資産(intangible assets)として「一つは健康(health)、もう一つは学習や知識(learning and knowledge)、そして3つ目は社会との関わり(social relationship)」をあげられていました。わたしにとってもいろいろ気づかされ、考えさせられる内容でした。

IMG_0213

所得税の第2期予定納税、11/15まで減額申請が可能 2021.11.01

給与所得者が源泉徴収を経て年末調整を行うように、個人事業所得や不動産所得のある納税者の方で、前年分の所得金額や税額などを基にして計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上の場合、その年の所得税等の一部をあらかじめ納付する必要(予定納税制度)があります。前年令和2年分の税額等を基にした「予定納税基準額」が15万円以上の方は、「予定納税基準額」の「1/3の金額」を(第1期分)令和371日~82日、(第2期分)令和3111日~1130日の納付期間に納付(振替日は納期限と同日)することになっています。

ただ、予定納税の義務のある方が、事業不振等により納付期間前日の630日、1031日の現況で申告納税見積額が「予定納税基準額」に満たないと見込まれる場合、予定納税額の減額を求める減額申請の手続きができます。たとえば、緊急事態宣言等解除後も事業回復が遅れ、第2期分の予定納税額を納付することが困難と見込まれる場合、今月の1115日までに『予定納税額の減額申請書』を所轄税務署に提出することで減額の申請が可能です。この際申告納税見積額(1030の現況による)の計算の基礎となる事実を記載した書類の提出も必要になります。

減額申請の理由については、事業の全部・一部の廃止・休止・転換(法人成りも含む)、災害・盗難・横領のよる損害、多額の医療費を支払った並びに扶養親族の増加、社会保険料控除・小規模事業共済等掛金控除など金額の増加のケースも認められます。令和3年分の確定申告の法定納期限は、現在のところ令和4315日になっています。この予定納税額を納付すると確定申告で還付されるとしても、実際手元に還ってくるのは数か月後になってしまいます。とくに個人事業者で資金繰りに留意しないといけない納税者の方にとっては、この予定納税の減額申請を検討されてはいかがでしょうか。

最新の記事

月別アーカイブ

  • 電話番号 077-599-3480 電話受付は月曜から金曜の午前9時から午後5時 ※土日祝祭日、年末年始休業、お盆休業除き受け付けております。
  • 税理士ブログ 日々の業務内容の紹介や、これまでの実績、実際の事例など
  • 税理士ブログ 日々の業務内容の紹介や、これまでの実績、実際の事例など
  • 当事務所はTKC OMSクラウド、セコムのオンラインセキュリティを導入しています。