日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
そろそろ確定申告を意識 2019.10.12
10月も半ばにさしかかり、2019年も残り2か月あまりとなりました。個人の納税者の方々にとっては、暦年ベースの決算期間もすでに3/4以上過ぎていますので、そろそろ確定申告を意識する時期になっています。
まず、2019年に譲渡所得がある納税者の方については、可能であれば今年中に確定申告に添付する資料をいただくようにします。とくに「空き家譲渡特例」を適用する場合には、従来の譲渡所得の申告資料のほか、「家屋の使用状況のわかる写真」や「ガス供給終了証明書」など追加に必要な資料で、なかには今年中にしか準備できないものもあります。そして、そろったところで「譲渡所得の内訳書」の作成だけでも先に・・と思いますが、こればかりは会計システムが届く来年2月まで待たなくてはいけません。あとは、来年の消費税の計算方法について、来年開業3年目になる納税者だけでなく、他の納税者の方にも来年の資産の取得の予定など聞きますが、実際わからない場合が多いです。ただ、多額の資産の取得が確定していて、今年中に届出の提出が必要な場合は対応しなければいけません。
今年は所得がそれなりにあり何か対策が必要な納税者の方には「小規模企業共済」の加入をおすすめしています。(加入手続きは12月上旬まで) 「小規模企業共済制度」とは、国の中小企業政策の中核的な実施機関である中小機構が行う小規模事業の事業主や経営者を支援する制度で、確定申告書を見ていただくと、左下部分の「所得から差し引かれる金額」に「小規模企業共済等掛金控除⑬」がありますが、その部分に支払った掛金が全額記載され、掛金が全額控除されることになります。共済金は退職や廃業時などに受取り可能で、一括で受取る(分割で受取り公的年金と同じ扱いにすることも可能)と所得税法上の退職所得と同じ扱いになり、事業主にとって税務上非常に有利な制度です。