税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

2020年4月

国税庁「FAQ」、4月13日に11問が追加されました 2020.04.27

先月、国税庁より発表された「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」、4月13日に「よくある(あると想定される)質問」が11問追加され、うち2問は『業績が悪化した場合に行う役員給与の減額』について、下記の事例が公開されています。

『当社は、各種イベントの開催を請け負う事業を行っていますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、イベント等の開催中止の要請があったことで、今後、数か月間先まで開催を予定していた全てのイベントがキャンセルになりました。その結果、予定していた収入が無くなり、毎月の家賃や従業員の給与等の支払いも困難な状況であることから、当社では、役員給与の減額を行うことにしました。(以下略)』(「問8」)

『当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により、外国からの入国制限や外出自粛要請が行われたことで、主要な売上先である観光客等が減少しています。そのため、当面の間は、これまでのような売上げが見込めないことから、営業時間の短縮や従業員の出勤調整といった事業活動を縮小する対策を講じています。(中略)一方で、当社の従業員の雇用や給与を維持するため、急激なコストカットも困難であることから、当社の経営判断として、まずは役員給与の減額を行うことを検討しています。(以下略)』(「問9」)

現在よく報道されている事例ですが、この役員給与が定期同額給与に該当するかどうかの質問に対し、「FAQ」の回答は、いずれの場合でも改定前と改定後に定額で支給する役員給与は、それぞれ定期同額給与に該当し、損金算入するとしています。新型コロナウイルスの影響については、業績に影響があるというだけで役員給与の減額が容認されないのは従来とかわりません。ただ、追加された「FAQ」で容認される「業績悪化改定事由」が具体的に公開され、より判断がしやすくなりました。

前例のない給付金、「持続化給付金」 2020.04.18

新型コロナウイルスの感染拡大により、とくに大きな影響を受ける事業者に対して、事業全般に広く使える・・ ’’前例のない給付金”(経済産業省の資料にそう書いています)・・「持続化給付金」の制度について、4月最終週を目途に経済産業省より詳細が発表されるようです。早ければGW明けに給付される可能性もあるとのことで、法人、個人を問わず事業者の方は、給付対象になるか確認する必要があります。支給対象は、① 新型コロナウイルスの感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している者 ② 中堅企業(資本金10億円未満)、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者(医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人を含む)。

給付額は「法人 200万円、個人 100万円」ですが、昨年1年間の売上からの減少分を上限とします。売上減少分の計算方法は、「前年の売上高(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上げ×12ヶ月)」で、「前年同月比▲50%月」の対象期間は【ここが重要】20201月から12月のうち、2019年の同月比で売上が50%以上減少したひと月について選択することができます。(2019年に創業したケースは、別途対応を引き続き検討)

申請(基本的にWeb)に必要な情報などは、① 法人番号(個人:本人確認書類) ② 2019年の確定申告書類の控え ③ 減収月の事業収入額を示した帳簿等(形式は問いません)になります。補正予算成立後、速やかに「持続化給付金」の受付けが開始される見込みで、対象となる事業者の方は、今後発表される情報を確認しつつ、いまから申請準備を進めるのがよいでしょう。

役員給与の減額にもハードルが 2020.04.13

会社の業績が予想以上に悪化したため、毎月の支給額が同額であった役員給与(定期同額給与)の減額を検討されている方もいるかもしれません。業績の低下により法人の損失額は増え、一方で個人の役員給与には所得税等が課されます。ましてや、令和2年分からは給与所得控除額が引き下げられ(給与収入 850万円超:195万円上限、ただし子育て・介護世帯を除く)、高額給与者の税負担がさらに大きくなっています。役員給与の改定は、定時株主総会が行われる等、事業年度開始の日から3か月以内に行うことができ、一度決定すると原則事業年度の終わりまで一定額を支払わなければなりません。したがって、3月末に事業年度が終了する法人は、今月4月から役員給与の減額が可能です。

しかし、事業年度が途中である法人は、役員給与を減額した金額(たとえば、月100万円から月80万円に減額する場合、これまでの100万円のうち20万円部分)は法人税等の計算するうえで経費になりません。しかし、個人には100万円全額に対し所得税等が課税されます。ただ、次の①又は②に該当する場合には、「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」として、期中でも役員給与の減額が認められています。① 財務諸表の数値が相当程度悪化したことや倒産の危機に瀕している状況 ② 経営状況の悪化に伴い第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係上、役員給与を減額せざるを得ない事業が生じている状況 → ②は中小企業では、取引銀行との間で行われる借入金返済計画の変更の協議において、役員給与の額を減額せざるを得ないケースがほとんどです。

したがって、業績や財務状況、資金繰りの悪化といった事実が生じても、利益調整のみを目的とした場合、単に業績目標に達しなかったことによる減額改定は、上記の「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」に該当しませんので注意が必要です。

公表された国税庁「FAQ」は、税理士への感染にも言及 2020.04.06

3月25日、国税庁より『国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ』が発表されました。「FAQ(Frequently Asked Questions)」とは、「よくある(あるいはあると想定される)質問とその回答とを集めたもの」で、新型コロナウイルス感染症の影響による具体例が計35問公表されています。

そのなかで、われわれ税理士についても言及されていて、「国税の申告・納付期限の個別延長が認められるやむを得ない理由」に・・税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含む)が感染症に感染したこと。経理担当部署の社員が感染症に感染した、又は感染症の患者に濃厚接触した事実がある場合など、当該部署を相当の期間、閉鎖しなければならなくなったことにより企業や個人事業者、税理士事務所などが通常の業務体制を維持できない状況が生じたことなど・・が認められています。

もちろん、こういうことでご迷惑はかけたくないですが・・個別延長を申請する際には、申請書に申告・納付等ができない状況を確認するため、申請者の状況、税理士の関与状況、部署の閉鎖や業務制限の状況などを記載する必要があります。何やら物騒な時勢になってきました。一日も早く収束して、いつもの日常が戻ってくれるのを願うのみです。