税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

2017年11月

パラダイスペーパー 2017.11.20

週末に録画していたNHKの「パラダイスペーパー」の特集番組をみました。最近よくテレビニュースで報道されている「パラダイスペーパー」とは、英領バミューダ発祥の法律事務所から流出した計1340万件の膨大な文書のことで、世界の政治家や企業などが租税回避地(タックスヘイブン)を通じて課税逃れに関与していた実態が明らかにされています。

番組のなかでは、この租税回避地を通じて課税逃れされる税金の額は全世界で年間58兆円だそうで、日本だけでも5兆円にのぼるとのこと。財務省の一般会計決算概要では、2016年度の国の税収は、合計554686億円ですので、なんと1割ちかくになります。税収のうち消費税は172282億円ですので、この課税逃れ分を徴収できたなら再来年10月の消費税率アップはなくてもまだおつりがくる計算になります。なんとも納得できない話ですが、番組をみていると租税回避地の大きな問題は税率が低いことに加えその秘匿性あるようです。租税回避をアレンジする現地事務所により、名義貸しで簡単に資産を隠すことができるスキームが公開されていましたが、それによって多額の成功報酬を受け取るのでしょう。

このような租税回避地は独自の産業が乏しいため、現地雇用などやむを得ない理由もあると考えていましたが、番組をみる限り一部の政府関係者や権力者が自己の利益のため、このような租税回避地をあえて存在させているのでは・・とさえ感じてしまいます。この「パラダイスペーパー」、文書が膨大すぎてまだ解明されたのはほんの一部ですので、今後いろいろな事実が出てくることが考えられます。

税理士の研修の受講義務化 2017.11.13

各税理士会(近畿税理士会など)に登録されている税理士会員は、一事業年度(毎年4月1日~翌3月31日)に、36時間以上の研修を受講しなければなりません(研修規則第2条、第5条)。これは平成27年度(平成27年4月1日~28年3月31日)から始まったいわゆる「研修の受講義務化」ですが、制度前に比べかなり少なくなったとはいえ、罰則規則はなく36時間に満たない税理士会員もいらっしゃいます。ただ、36時間を達成した会員先生が一概に関与先や納税者にとって良い先生とも言えず、また独自に外部研修や異業種セミナーなどで研鑽を積まれる会員先生もいらっしゃいますので、そこのところは難しいところです。

いずれにしても、29年度から草津支部の研修委員長をさせていただいており、他の委員会の税理士会員や役員の方と、いかに会員先生に支部主催の研修を積極的に受講していただけるか話をしています。たとえば、研修用DVDや他会場の研修をライブ配信システムで上映し研修回数を増やす、人気講師先生と早めにアポを取って研修をしていただくなど、いろいろ試しているところです。

この「研修の受講義務化」、来年の平成30年度分から制度がよりバージョンアップ(?)され、税理士会員の研修受講時間等が税理士連合会から公表(「税理士情報検索サイト」に受講時間等を掲載予定)されることになります。公表されるのは平成31年10月1日(平成30年度分)からで、これによって研修受講時間が税理士選定の一つの尺度になるかどうかも興味のあるところです。