税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

「インボイス制度」対応のため、各種補助金があります 2022.08.14

令和5101日から導入される消費税インボイス制度に向け、事業者の中には既存の経費・販売システムの改修や各種ソフトウェア・ツール類の導入など、今後さまざまな対応に迫られるケースが出てくると予想されます。その対応の過程で発生するコストについて、負担を軽減する各種の補助金制度がすでにスタートしています。

まず「小規模事業者持続化補助金」については、新たに「インボイス枠」が追加されています。「小規模事業者持続化補助金」とは、一定の事業者が、その地域の商工会や商工会議所の助言やサポートを受けて経営計画を作成し、その計画に沿って販路開拓などに取り組む費用を補助するもの。「インボイス枠」についは、申請要件が『令和3930日~令和5930日に属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス発行事業者に登録し、販路開拓の取り組みを行う小規模事業者』、補助上限額は100万円(補助率 2/3)となっていて、申請については商工会・商工会議所へ相談して進めることができます。

また、インボイス制度も見据えたデジタル化を一挙に推進する中小・小規模事業者等を支援する「IT導入補助金2022(デジタル化基盤導入枠)」(補助上限額 350万円(補助率 2/3))は、以前ご紹介した8次募集から(8817:00締切)さらに9次~12次募集(103117:00締切(予定))まで追加されました。「IT導入補助金」は交付が決定してから購入するのでリスクがなく、不採用になっても申請内容を修正しつつ次回以降も再申請できる補助金です。この利点を活かしつつ、申請ノウハウを持っている購入ベンダーと申請手続きを行っていくのがよいと思います。

個人・法人とも、消費税中間申告分の納税資金の準備を 2022.08.08

今月に入り、対象となる個人事業者には令和4年課税期間分の中間申告書および領収済通知書(納付書)が順次届いているようで、わたしのところにも8月早々の1日に届きました。納期限は令和4831日(水)ですが、すでに令和3年分で振替納税制度を採用されている方、今回は令和4928日(水)に同じ口座から引落しになりますので、前日まであらかじめ残高の確認をお願いします。

未だ振替納税を利用されていない納税者の方も、納期限(令和4831日)までに一定の手続きをすれば振替納税を利用することかでき、申し込み手続きはe-Taxでも可能になっています。また、令和4年に入り資材や燃料費の高騰などの理由で急速に業績が悪化している事業者については、「令和411日~630日」を一課税期間とみなして仮決算を行い、それに基づき消費税を納付することもできます。消費税の納付額の計算労力が必要になりますが、当初の中間納付額より納付額を減らせます。

一方、年11回中間申告が適用される法人(3月決算)で、定期総会の招集日の関係から申告期限を延長した法人税や地方税と同様、「消費税の申告期限の延長の特例」(令和341日より適用開始)を提出されている場合、8月中に3回分(対象期間:4月、5月、6月)の中間申告書および納付書が届くことになります(先週末の時点では、対象法人には未だ届いてないようです)。9月納付分からは通常通り1回分の納税になりますが、8月納付分についてはあらかじめ納税資金に配慮する必要があります。

ECモールで販売する外国法人は、インボイス制度への対応が必要です 2022.08.01

1つの大きなサイトの中に、複数の企業やショップが出店または商品の出品を行うオンライン上のショッピング・モール、いわゆる「ECモール」で楽天市場・AmazonジャパンやYahoo!ショッピングなどが形成する市場規模は、2019年大きいもので単独3兆円を超えるとのことです。このようなECモールで自社商品を販売(自社ECサイトも含む)している非居住者や外国法人については、免税事業者に該当しない場合、本来は消費税の納税義務を負っていた可能性がありました。

このような中、202310月からスタートする消費税インボイス制度においては、これらの非居住者や外国法人は、基準期間の課税売上高や資本金から消費税の課税事業者に該当するか否かを判定し、もし課税事業者に該当するのであれば、国内の事業者と同様に、適格請求書発行事業者として「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出が必要(20233月まで)になります。

特定国外事業者(日本国内に事業拠点など(PE)がない事業者)は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出するため、登録申請時に納税管理人を選定することになりますが、納税管理人未届の場合は登録取り消しもあり得ます。また、たとえ免税事業者であっても、ECモールで買い物をする購入者には(仕入税額控除を適用する)法人も含まれるので、他の出店者との競合を考えると、「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出の是非を、あらかじめ検討しておく必要があると思います。

「滋賀県事業継続支援金(第4期)」、申請は8月1日(月)まで 2022.07.25

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受ける中小企業・個人事業者のうち、国の「事業復活支援金」を受給し、滋賀県内に事務所または事業所を有する方は「滋賀県事業継続支援金(4)」(中小企業等 20万円、個人事業主 10万円)の申請が可能です。令和43月より開始していた申請の受付けは、再来週81日(月)をもって終了します。未だ申請が完了していない事業者の方は提出資料(事業復活支援金の受給を示す書類「事業復活支援金の振込みのお知らせ」ほか)をご確認のうえ、申請手続(オンライン申請のみ)を完了してください。

また、「滋賀県事業継続支援金(4)」については、国の「事業復活支援金」が受給済みであることを申請時の要件としてきましたが、国の「事業復活支援金」において審査に長期間を要する案件がある一方、「滋賀県事業継続支援金(4)」の申請期限が迫っていることから、国の支援金の審査中であっても「滋賀県事業継続支援金(4)」の申請(仮申請)ができることとなりました。

つまり、国の支援金を申請済みであれば受給の有無に関わらず、「滋賀県事業継続支援金(4)」の仮申請ができます。ただし、仮申請でも必ず令和481日(月)までに行う必要がありますのでご注意ください。この場合、事業復活支援金の受給を示す書類に代え、「事業復活支援金を申請中であることがわかる資料」(現在のステータスが分かるマイページの写し)を仮申請時に添付することになります。

地蔵川の梅花藻(ばいかも) 2022.07.19

戻り梅雨のような天気が続きますが、蒸し暑い日々のなか米原市の醒井地区へ行ってきました。醒井は中山道六十九次の61番目の宿場町。とくにJR醒ヶ井駅から徒歩10分のところにある名水百選にも選ばれた「居醒の清水」を水源とする地蔵川は有名で、旧中山道の醒井宿の街並みを中心に街道を縫うように流れています。この日はときより晴れ間もあり、清流でしか育たない梅花藻(ばいかも)も見頃のシーズンを迎えていました。この梅花藻は梅に似た五弁の白い花をつけるキンボウゲ科の1㎝ほど水中花。地蔵川のほとりは蝉の鳴き声と川のせせらぎの音で心地よく、古来より湧水が豊富にあり涼を求めるには絶好の場所になっています。IMG_0351IMG_0349

旧街道沿いには昔ながらの宿場町の雰囲気を残した商店も点在します。そのひとつが明治創業で土蔵造りの店構え「醤油屋 喜代治商店」。この商店は「ヤマキ醤油」の商標で、醒井の名水を使って仕込み、昔からの製法で醤油を造り続けていています。店内の土間には醤油だけでなく味噌やだしつゆなども置いていますが、ここの醤油は芳ばしい香りがして、口に入れるとまろやかでコクのある味わいが特徴。日頃うすくち醤油に慣れてしまった私には、「ヤマキ醤油」がメインとする濃い口醤油の味覚はすこし新鮮に感じました。IMG_0358IMG_0353

合同会社、新規設立法人の4分の1に 2022.07.11

2006年5月に施行された会社法で新たに設けられた会社形態である「合同会社」、2021年「合同会社」の新設数は前年比約11%増の36934社と過去最多を更新し、新しく設立された法人の4社に1社を占めるようになりました。(東京商工リサーチより『日経新聞74日付記事』)ただ、なかには会社設立時に電話やインターネット・SNSで一般の個人から出資を募り、投資した資金が回収できなくなく問題も相次いでいるそうで、金融庁は早ければこの夏から、会社の実態把握のため、「合同会社」の形態で出資を募る場合は登録制にするとのことです。

以前の「合同会社」は認知度が低く、株式会社と比べ対外的な信用力に不安を感じる方も多かったですが、前述の資金が回収できなくなる問題は論外として、最近は「合同会社」のメリット(① 設立費用が株式会社より抑えられる ② 出資者と経営者が一致して、意思決定が早い ③ 役員の任期が無制限(株式会社は通常2年)など)を理解して、より生かそうとする考え方が増えているように感じます。また、著名な外資系日本企業(アマゾンジャパン、Apple Japan、グーグル、西友)も「合同会社」と認知された影響もあるようです。

税理士が関与するような事業のなかでは、会社名の信用より商品や店舗自身を重視する一般消費者向け(B to C)事業や1人起業・家族経営など規模が小さく拡大路線をねらわない事業には、会社運営を簡略化しつつ株式会社と同じ税制のメリットが適用される「合同会社」が向いていると言えますが、このような特定の事業に限らず、今後も「合同会社」設立数の増加傾向は続いていくものと考えられます。

労働保険の年度更新、2段階引上げに注意 2022.07.04

コロナ禍での雇用調整助成金の特例措置による財源確保のため、令和4330日の「雇用保険法等の一部を改正する法律」に成立にともない、令和4年度(令和441日~令和5331日)の雇用保険料率が引上げされることが決定しています。今回の引上げは2段階で実施され、具体的には(第1段階)令和44月から事業主負担の保険料率が、(第2段階)令和410月からは労働者負担・事業主負担ともに保険料率が上がります。

事業の種類が一般の事業のケースで言うと、「労働者負担部分」が令和4101日より31,000から51,000へ、「事業主負担部分」が令和441日より61,000から6.51,000、さらに令和4101日より8.51,000へ引上げられます。現在、「2021年度の確定保険料」と「2022年度の概算保険料」を申告・納付する2022年度の年度更新の時期(711日まで)ですが、「2022年度の概算保険料」のうち雇用保険分については、「上期の概算保険料額」と「下期の概算保険料額」との賃金集計表で計算し、その合計額を「2022年度の概算保険料」として納付することになります。

例年とは異なり複雑になっていますので、「年度更新申告書」に同封されている厚生労働省のパンフレットで確認し、集計誤りのないよう注意する必要があります。また、厚生労働省の 「労働保険関係各種様式」のうち「年度更新申告書計算支援ツール」を活用することにより、年度更新の申告書イメージを表示することができますので、これを参考に申告書を作成していくことも一つの方法です。

法人税の申告書、新様式へ 2022.06.27

今月の申告分、つまり令和441日以後終了事業年度分から、法人税の申告書(別表)が新様式になっています。別表一では「通算グループ番号」、「通算親法人整理番号」の記載欄が、別表四・別表五(一)・別表五(二)にも「通算法人に係る加減額」、「通算税効果額の発生状況等の発生状況等の明細」等の調整項目が追加されています。「通算税効果額」とは、「グループ通算制度を適用することによる税負担の軽減額ついて、通算グループ内で精算する金額」をいいます。

グループ通算制度は令和441日以後に開始する事業年度から適用されますが、事業年度等の変更など1年未満の事業年度もありうるので、すでに法人税の申告書はグループ通算制度に対応しています。また、これより早く「中小企業向けの所得拡大促進税制」については、令和341日以降に開始される事業年度(個人事業主は令和4年分)かより制度が簡略化(別表六(二十九))されました(事業年度が1年間であれば令和4331日決算分から)。

「所得拡大促進税制」とは、中小企業等が前年より給与等を増加させた場合、その増加額の一部を法人税から控除(支給増加額の15%(上乗せ分除く))できる制度。従来の適用要件では「雇用者給与等支給額」のほか「継続雇用者給与等支給額」の算定が必要でしたが、新制度では「継続雇用者給与等支給額」のみの算定で適用可否を判定します。これにより、既存従業員の賃上げだけでなく新規雇用の増加でも税額控除の恩恵が受けられ、かつ事業者の事務手続の負担も軽減できる制度になりました。

宇治茶の里 2022.06.20

梅雨入りから初めての晴れ間となった週末、宇治茶の里を訪ねて京都府南部の宇治田原町から和束町へ行ってきました。宇治茶は静岡茶・狭山茶と並んで日本三大茶の一つ。昔から抹茶で客人をもてなす日本独自の文化「茶の湯」で使われてきた有名ブランドです。この宇治茶の産地である宇治田原町の山間の湯屋谷というところに、江戸中期に「青製煎茶製法」(下から熱を加えた焙炉(ほいろ)の上で茶葉をもみながら乾燥させる製法)を開発・普及させた永谷宗円(㈱永谷園の創業者の祖先)の生家があります。地元の方々が運営する交流施設の駐車場から小川沿いの山道を徒歩15分、2007年に全面葺き替えされた茅葺屋根の建物(写真左)が復元されています。内部には実際に宗円が使用した焙炉跡(写真右)や製茶道具があり、当時の様子をよく知ることができます。IMG_0316IMG_0315

また、その南どなりにある和束町は幾何学模様を成している茶畑があることで有名で、山里の民家や山林の合間を縫うように山道を行くと周囲は深緑の茶畑が広がります。先月からは新茶の収穫の時期でどの茶畑もきれいに刈り取りがされていましたが、このようにすることで日光が地面に届き、風通しも良くなり美味しい茶葉が育つとのこと。ところどころ覆い(おおい)を掛けて遮光することでうまみを増す茶葉をつくる「覆下栽培」を行っている茶畑も見かけますが、この栽培方法はこの地方で発明されました。和束町の地元生活と共にある生業の茶畑景観は「茶源郷」とも呼ばれていて、最近はTVなどのメディアでとりあげられることが多くなっています。

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所得税予定納税額(第1期分)、減額申請が可能(7/15まで) 2022.06.13

前年分の所得金額や税額を基礎に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上となっている場合、原則、この予定納税額の3分の1相当額をそれぞれ7月(第1期分)と11月(第2期分)に収めることになっています。この制度を「予定納税」といい、この予定納税額は、翌年3月の確定申告の際に計算した税額から差し引くことにより精算します。そして、「予定納税」が必要な個人事業者の方には、これから6月中旬にかけ『令和4年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書』が送付されます。

この通知書に記載された第1期分の金額が納税する金額で、納期は令和471日(金)から81日(月)とされています。ただ、廃業、休業又は業務不振などの理由で、令和4630日の現況による令和4年分の「申告納税見積額(年間所得や所得控除などを見積もって計算した税額)」が、その予定納税基準額より少ないと見込まれる場合、令和4715日(金)までに『予定納税額の減額申請書』に必要事項を記載し所轄税務署に提出することで、予定納税の減額申請をすることが可能です。

最近の急激な円安による輸入品価格の上昇や上海のロックダウンにより調達資材が滞るなど、今年に入って業況が急速に悪化している個人事業者の方もいるかもしれません。この『予定納税額の減額申請書』は、国税庁ホームページや税務署窓口で入手できますので、現状事業の資金繰りなどをご確認のうえ、予定納税額を納付することが困難と認められる場合には、減額の申請手続きすることもご検討いただけたらと思います。

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