税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

第8回みなくさまつり 2018.11.19

昨日(11月18日)開催された『第8回みなくさまつり』をご紹介いたします。サブタイトルは「~「えん」でつなぐ みなみくさつ~」。当日は10時~15時半まで南草津駅西口ロータリーから当事務所前を経て南草津二丁目交差点まで車両通行止になり、たくさんの飲食店や雑貨などのブースが立ち並びました。いくつかの企業や金融機関が協賛されていて、われわれ近畿税理士会草津支部も草津納税協会や草津税務署などの皆さんと西口近くにブースを構え、道行く人へ税の意識を高めていただくお手伝いをしました。写真にあるジュラルミンケースには1億円分の一万円紙幣(見本)が入っており、その重さを体験することができますが、実際試される人が多かったです。IMG_0774

また、ブースの中では「ちびっこぜいきんクイズ」として、こどもたちにクイズに答えてもらい景品を配りしました。例えば「問:国の財政を家計(月30万円)にたとえた場合、毎月いくらの借金(不足分)をすることになるでしょう? 答:16万円」のように、こどもたちにも国の財政事情を意識してもらい、税金の役割について少しでも理解してもらう内容になっています。IMG_0776

予定申告で行政のムダを思う 2018.11.12

予定申告で関与先様から各自治体の申告書・納付書一式の入った封筒を預かりします。自治体の封筒は大きさも様式も千差万別で、封筒に書かれたキャッチ・コピーもおもしろい。静岡県は『富国有徳の理想郷 ‐ しずおか ふじのくに』、福井県は『健康長寿の福井』共にリタイア後に暮らしたくなるような文章で、愛媛県は『あいのくに 笑顔あふれる愛媛県』と・・ひたすら愛媛の「愛」を強調しています。三島市は『頼朝ゆかりの歴史のまち』で、わたしは源頼朝ゆかりの地は配流された伊豆や幕府のあった鎌倉と思っていましたが、頼朝は三嶋大社へ大願成就をかけてたびたび参拝したそうで、これは歴史好きをねらったものと思われます。

ところで、予定申告は(確定申告だけでなく)すべて電子申告(eLTAX)で行いますが、ある関与先様の場合で申告対象の自治体のうち、半数以上が未だ提出用の申告書を送付してきます。受け手の自治体も電子申告とわかっているので、いまさら提出用の申告書を送る必要もないと思うんですが・・。現在では納付書も税務申告ソフトからのプリントアウトで事足りるので、最後は大量の書類(封筒、申告の説明書、申告書、納付書)を廃棄することに・・やはり行政のムダを感じざるを得ません。自治体としても、こういうところから「ペーパーレス化」を進められないものでしょうか。

ホーチミン市のマネジメント機能付きレンタル工場 2018.11.05

先週末からホーチミン市(ベトナム)へ行き、その中で「ビーパン・テクノパーク(Vie-Pan Techno Park)」という日系中小企業専用の工業団地を視察しました。この工業団地の特徴は、単に工場をレンタルするのではなく、人事・会計・物流などのマネジメント機能も代行してくれること。海外進出のノウハウが少ない中小企業も海外生産を開始することができ、それを担当の木村さんより、視察した我々にわかり易く説明していただきました。木村さんも経験からおっしゃってましたが、現在では中小企業が単独で海外進出するには、安い人件費ではなく、現地やその周辺に市場を求めないと成功はむずかしくなってきています。写真はその説明会と企業の製造現場の風景です。IMG_0717IMG_0722

日曜日は「チュングエン・コーヒー(Trung Nguyen Coffee)」で本場のベトナムコーヒーに挑戦。ベトナムはブラジルに次ぐ、世界第2位のコーヒー豆生産国。ツアーガイドの方のおすすめで行きましたが、焙煎されたコーヒー豆から一滴一滴と時間をかけてコーヒーカップに落ちていきます。苦味は強いですが、バターで焙煎しているため甘い香りを感じました。IMG_0733IMG_0737

それからベトナムに古くから伝わる伝統芸能の「水上人形劇」。できれば、本格的な「ロンヴァン水上人形劇場」に行きたかったですが、ツアースケジュールの関係で行けず、「歴史博物館」中庭の小さな池での人形劇を鑑賞しました。小規模ですが数分ごとに寸劇が演じられ、雰囲気を味わうことができます。観客のほとんどは欧米からの観光客でした。IMG_0744IMG_0765

洋画家 野口謙蔵 2018.10.29

旧蒲生郡出身の野口謙蔵はご存知でしょうか? 謙蔵は1901年生まれで東京美術学校(現東京芸大)西洋画科に入学し、卒業後は多くの画家が渡欧を目指す中、帰郷し蒲生の風景をひたすら描き続け、独自の「日本的洋画」を模索した洋画家です。1928年第9回帝展(帝国美術院展覧会(現日本美術展覧会))で「庭」が初入選し、その後も第10回「梅干」、第11回「蓮」が連続入選。そして、第12回「獲物」、第14回「閑庭」(写真右)、第15回「霜の朝」(政府買上げ 東京国立近代美術館収蔵:写真左)が帝展で連続して特選を受賞しています。なお、謙蔵は194443歳の若さで亡くなっています。IMG_0704IMG_0703

先日、有名なテレビの鑑定番組に謙蔵の12号の大きさの風景画が出品されていて、高額の鑑定額がついてました。謙蔵は中央画壇に全く興味がなかったため、世間ではそれほど知られていませんが、番組では謙蔵の略歴や人となりがしっかり紹介されていて嬉しかった。週末は久しぶりに「野口謙蔵記念館」(東近江市綺田町)行ってきました。この記念館は生前の謙蔵のアトリエを改築復元(写真:創作風景を再現/展示コーナー)したもので、多くの作品がここで生まれており、生前の謙蔵の制作風景を偲ぶことができます。まわりはのどかな田園風景で、これこそ謙蔵の愛した風景だと思いました。IMG_0695IMG_0697

『連結納税 事務負担軽く』 2018.10.21

政府税制調査会(首相の諮問機関)は10月10日に第17回総会を開催し、今後中長期的に、個人所得課税、資産課税、納税実務等の環境変化への対応、そして法人税の連結納税制度などのテーマについて議論を進める方向とのことです。(「週刊 税務通信」平成30年10月15日)そのなかで、退職所得課税制度に対する指摘もあったようで、日本の所得税制度は退職所得への優遇や給与所得控除額の多さが際立っているので、さすがにすこしでも諸外国並みに改正されていくものと思います。

法人税の連結納税制度については、日本経済新聞にも10月12日の記事『連結納税 事務負担軽く』でも取り上げられていました。子会社や孫会社の一部の税務申告の変更が起きると、グループ会社全体のやり直しになったのが、各社がそれぞれ個別に申告書をつくる案が浮上しているとのこと。たしかに、子会社や孫会社にとって(われわれ税理士にとっても)、そのやり直しが親会社のみならず、他の子会社や孫会社まで影響するのは、どうしてもプレッシャーになります。個別に申告書を備えて、変更が生じた部分のみの修正だけで済まそうとするのは、修正の簡素化の見地からもよい考え方だと思います。

この02年度に導入された連結納税制度、国内グループ会社の利益と損失の通算による法人税の低減がメリットとしてよく言われます。また、損失が生じている会社がなくても、試験研究費などの税額控除額をグループ全体で計算することで、法人税額が少ない単体申告より控除限度額の枠が増加することも、グループ全体の税額にとって大きなメリットになります。

秋の焼鯖の買い出し 2018.10.15

ことわざ『秋鯖嫁に食わすな』ではないですが、脂がたっぷり乗った秋の焼鯖が食べたくて、昨日は半年ぶりに福井県小浜に行ってきました。小浜は日本海に面しているため、海の幸をたのしめる寿し屋もありますが、わたしにとっておろし生姜とポン酢で食べる焼鯖がなにより絶品です。朝自宅を出発して11時ごろ小浜漁港近くにある「朽木屋商店」に到着。お目当ての焼鯖は残り少なかったですが、無事買い出しできました。電話すれば発送するとのことですが、このように現地に行って買うのがいいと思っています。IMG_0663IMG_0580

これで目的を達成したので、正午前「やまと寿し 本店」へ。ここは小浜で唯一の回転すし屋ですが、手軽に新鮮で大ぶりなネタをいただけるので、地元の方でほぼ満席になっていました。写真は、炙りの一本穴子と自家製アラ汁です。IMG_0664IMG_0665

帰り道は数ある小浜の古寺のなかで、渓流と杉林に囲まれた山里にある妙楽寺に立ち寄りました。写真の本堂と本尊の二十四面観音立像は、鎌倉時代の作で国の重要文化財。境内に参拝者はだれもいなくて、清々とした雰囲気が漂っていました。IMG_0671IMG_0668

『仕事がなくなる!?』 2018.10.09

日曜日夜のテレビ番組「NHKスペシャル マネー・ワールド~資本主義の未来~『仕事がなくなる!?』」を見ましたが非常におもしろかった。近い将来、人間の仕事はAIやロボットが担うようになり、労働者は雇用を奪われ、資本家は賃金を支払う必要がなくなる。一見資本家にとって都合のよいようだが、富が循環しなくなり資本主義は行き詰まり、やがて資本家自身も立ち行かなくなる。このような未来に、われわれはどのように生きていけばよいのかを、司会(太田 光、田中 裕二)、ゲスト(孫 正義 ソフトバンクグループ社長、新井 紀子 国立情報学研究所教授)がAIロボットの導入事例や出演者間の議論などをまじえて番組を進行していきます。

とくにゲストの新井 紀子さんが、資本家としてAIロボットの販売を推進する孫 正義さんに「このような状況でもっともメリットにあずかるのは、あなた方資本家なので、あなた方はこのような問題を解決する責任があるのでは」と忖度なしにおっしゃって、なかなか痛快でした。といっても、孫さん自身は資本家として当然のことをやろうとしているだけなのですが・・。

そして、またか!という感じで・・番組の中でAIロボットによる職業別 代替可能確率が紹介されていて(野村総合研究所 調査)、税理士は92.5%でした。また、税務職員は94.0%で、これは将来AIロボットさえあれば、納税者はだれにも頼らずに国や地方への納税が完了するということでしょう。運悪くわれわれ税理士の仕事はAIロボットが最も力を発揮しやすい分野のようです。何年後か十数年度かわかりませんが、AIロボットが進歩して、あるべき答え(もっとも税額が少なくなる申告)を人間の税理士より正確に導き出せるようになれば、人間の税理士の仕事はAIロボットの指示に従って、情報収集や入力がメインになるかもしれません。

「損益分岐点」より「キャッシュフロー分岐点」 2018.10.01

関与先様と四半期や半期経過ごとに、必要に応じて現在実績および当期の業績見通しの検討を行います。業種によっては売上高と費用の額がちょうど等しくなる「損益分岐点売上高」を使用しますが、最近では借入金返済額も含めた資金収支がゼロになる「キャッシュフロー分岐点売上高」を意識しています。

「損益分岐点売上高」の算出方法は、「固定費 ÷ {1-(変動費 ÷ 売上高)}」。たとえば、A社のある月の売上高が1000万円、経費が900万円(変動費500万円、固定費400万円)だったケースでは、「損益分岐点売上高」=固定費400万円 ÷ {1-(変動費500万円 ÷ 売上高1000万円)}=800万円。つまり、A社は月額売上高が「損益分岐点売上高」800万円を上回ると損益上利益が生じる財務体質であることが判ります。

一方、「キャッシュフロー分岐点売上高」の算出方法は、「(固定費-固定費のうち、減価償却費+借入金返済額) ÷ {1-(変動費 ÷ 売上高)}」。さきほどのケースで、A社のある月の売上高が1000万円、経費が900万円(変動費500万円、固定費400万円(うち、減価償却費50万円))で借入金返済額150万円があったケースでは、「キャッシュフロー分岐点売上高」=(固定費400万円 - 減価償却費50万円 + 借入金返済額150万円) ÷ {1-(変動費500万円 ÷ 売上高1000万円)}=1000万円。

つまり、A社は月の売上高が「キャッシュフロー分岐点売上高」1000万円を上回らない限り、損益上利益が生じても借入金の返済資金が不足する可能性があります。(納税資金については計算が煩雑になるため考慮していません。)借入金で事業を行っている場合がほとんどの中小企業にとって「損益分岐点売上高」より、資金収支がゼロになる「キャッシュフロー分岐点売上高」の方が、はるかに重要度が高い指標であるといえます。

まだしばらく続きそうな所得拡大促進税制 2018.09.25

今月出席した「法人税等の改正項目の重要ポイントと留意点」がテーマの研修会で、講師のある著名な先生は平成25年度税制改正で創設された「所得拡大促進税制」の改正についても解説され、現在の経済情勢の下ではこの制度はしばらく続くのでは? とおっしゃってました。「所得拡大促進税制」は、個人の所得を増加させる目的で従業員に対する給与・賞与を増加させた場合に税額控除が受けられるもので、政府も企業に3%の賃上げを要請している手前、しばらくこの「所得拡大促進税制」を継続していこうとする意向があらわれているように思います。

従来、この税制の適用要件(中小法人の場合)として、雇用者(国内の事業所に勤務する法人の使用人で法人役員および特殊関係者を除く)給与等支給額が、① 基準雇用者給与等支給額(平成24年度)から3%以上増加 ② 前事業年度の雇用者給与等支給額以上であること。③ (継続雇用者に対する) 平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回ること・・の3項目がありましたが、今回の改正で①、②は廃止され、③については「上回ること」から「1.5%以上増加していること」に改正されました。

一方、税額控除額(中小法人の場合)については、従来は(基準年度に対する)給与等支給増加額×10%(一定の上乗せ要件を満たす場合 22%まで)でしたが、この改正で(前年度に対する)給与等支給増加額×15%(一定の上乗せ要件を満たす場合 25%)に控除率がアップしています。全体的に適用要件のハードルが高くなり従来より適用を受けにくくなっていますが、それをクリアした法人に対しては、より大きな優遇措置を享受できるような制度に変更されています。この新しい制度は平成30年4月1日から平成33年度3月31日までの間に開始する各事業年度のおいて適用されます。

請負か?委任か? 印紙税の話し 2018.09.17

関与先さまからよく印紙税についての質問をいただきます。そのほとんどが、最近締結する(又はした)契約書が印税を納めなければならない「課税文書」に該当するかどうかで、とくに多いのが「請負に関する契約書」(第2号文書)に該当するかどうかの質問です。その場合、「請負」とは、当事者の一方がある仕事の完成を約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを内容とする契約です。その仕事の内容が特定されていて、その仕事を完成させなければ、債務不履行責任を負うような関係にある契約は、「課税文書」として印紙税をおさめる必要があります。

請負の目的物として典型的なものとして、建物の建設、機械の製作、ソフトウェアの開発、ホームページの制作など。このように明確な「成果物」があれば、「請負」にかかる契約として、印紙税を納めることに疑問を持つことはないと思います。また、機械の設置後に機械にかかる「機械保守契約」を締結した場合も、「機械を常に正常な状態で有効に使用しうるように、点検、調整、修復を行う仕事とそれに対する報酬の支払いを定めたもの」として、「請負」に関する契約書に該当します。つまり、仕事を完成することを目的とする保守にような「役務の提供」も「請負」に含まれますので「課税文書」に該当します。

一方、「請負」と誤りやすいものとして「委任」があります。ここでいう「委任」とは、受任者が委託された行為の処理を、善良なる管理者の注意義務(一般に要求される程度の注意義務)で行えばよく、仕事の完成義務は負いません。このような「委任契約」は「課税文書」に該当せず、印紙税を納める必要はありません。今回の機械の設置後に操作方法を委任者の求めに応じて助言や指導する「技術指導契約」が「委任」に該当します。われわれ税理士でも、決算書、試算表や税務申告書のような「成果物」を作成する業務があり、これらに対応する報酬の支払いとが対応関係がある場合には「請負」に該当します。しかし、このような「成果物」がなく、助言や指導を行うのみのいわゆる「コンサルティング契約」であれば「委任」に該当することになります。

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