日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2018年8月
営業キャッシュ・フロー 2018.08.24
関与先様と決算申告確定時に、必要に応じて当期業績および翌期見通しの説明会を行います。その際に、当期業績では資金の流れのわかる「キャッシュ・フロー計算書」を作成し、これも使って説明するようにしています。
「キャッシュ・フロー計算書」は貸借対照表、損益計算書などのように税務申告書の添付書類ではありませんが、決算書から容易に作成することができます。キャッシュ・フロー計算書は「 営業活動によるキャッシュ・フロー」 「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」で構成されていて、そのなかで「営業活動によるキャッシュ・フロー」の現金収支が十分なプラス、要するに本業でしっかり資金を生み出しているがどうかが、その事業継続のための最低条件になります。
翌期見通しについては、予測した損益計算書の税引前利益がどのぐらいの金額になるかも重要ですが、それ以上に予測損益計算書上の「税引後当期利益+減価償却費」が銀行借入金にかかる翌期約定返済額(予定)より大きいかどうかに注意します。厳密にいうと「税引後当期利益+減価償却費」は「営業活動によるキャッシュ・フロー」とはイコールではありませんが、簡易的に「営業活動によるキャッシュ・フロー」の概算収支を知ることができます。いくらか税引前利益が生じても、銀行への約定返済が滞れば資金繰りが苦しくなり、また新たな借入れなどが必要になるからです。当期利益がプラスでも「営業活動によるキャッシュ・フロー」の収支不足が続けば、極端な話し「黒字倒産」のリスクが生じます。
岩魚づくし 2018.08.10
立秋が過ぎても、あいかわらず暑い日が続きます。みなさま残暑お見舞い申し上げます。弊所は明日11日(土・祝)から15日(水)まで夏季休暇になります。
写真は先週末に行った永源寺ダムのむこうにある「日登美山荘」、建物は築300年ほどの古民家を移築したとのことで、なかなか風情のある佇まいです。
基本一泊一組限定の宿ということですが、ランチもやっているので試しに入ってみました。岩魚の塩焼き、岩魚の煮付け、自家製つけもの、岩魚の刺身など・・猛暑の影響でこのあたりも例外なく暑かったですが、料理の方は涼しくいただくことができました。
TKCオンデマンドで講師 2018.08.01
TKC全国会では会員や職員を対象に「オンデマンド研修サービス」をやっていて、最近特に注目されている「Q&A特例事業承継税制」や「実務に役立つ法人税法」など、さまざまなテーマの研修をいつでもオンラインで見ることができるようにしています。わたしが入会している海外展開支援研究会でも、ことし6月から研究会員の関与先の海外進出を想定して「国別法務・会計概要研修」をテーマにオンデマンドサービスを始めました。現在のところ、タイ、中国、そして今日わたしが「シンガポールの進出のための基礎知識」のサブ・タイトルで、オンデマンド研修の収録を行いました。場所は、TKC大阪南センター研修室内で、メンバーはわたしと㈱TKCの方のみ。研究会の講師はたびたびお引き受けしていますが、話す相手が収録用カメラで出席者の反応がわからなく、最初は何かやりにくさも感じました。
研修の内容は、1. シンガポールの概要 2. 進出形態 3. 進出にあたり知っておくべきこと 4. 会計制度(基礎編) 5. 社会保障制度(基礎編) 6. 主な税金のしくみ(基礎編)で、実際にわたしが現地にいて感じたことも率直にお話ししました。レジュメのボリュームから約1時間ぐらいの研修時間を予定していましたが、終盤ではカメラのレンズにむかって話すのもすっかり慣れ、終わってみると1時20分も話してしまいました。今月末ごろには配信可能になる予定です。海外展開支援研究会のオンデマンド研修は、他の分野に比べてまだまだ聴取者数は少ないですが、全国の研究会先生にとってこの研修サービスが海外進出の参考になればと思います。