日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2021年1月
『雇調金特例 延長へ』 2021.01.25
新型コロナウイルスの感染拡大にともない雇用調整助成金を申請して受給するケースがふえていますが、雇用を維持しようとする事業者とっては貴重な財源になっています。1月20日の日経新聞記事『雇調金(雇用調整助成金)特例 延長へ』では、現在2月末までになっている期限が緊急事態宣言解除の翌月3月末まで、宣言期間が1か月程度延びれば、特例期間も4月末になるとのことです。また、一部では6月末との報道もあります。
また、以前にもふれましたが、この雇用調整助成金については収益として計上する時期に注意が必要です。たとえば、現在2020年12月期の決算を行っている法人の場合、12月の休業時期にかかる雇用調整助成金は、支給決定通知が届いていなくても、事前に労働局等へ「計画届」を提出している場合は、12月の休業手当(費用)と対応させるため12月末決算で未収計上(収益)しなければいけません。支給される金額が確定しない場合でも、見積りした金額で未収計上することになります。
ただ、『週刊 税務通信No.3639』(令和3年1月25日)によると、新型コロナウイルスの特例措置による手続きの簡素化で、事前の「計画届」の提出がされていないケースがあります。このケースでは、支給の決定を受けた事業年度に支給額を収益計上すればよく、見積り計上は不要とのことです。したがって、一律に支給決定を受けた日(給付通知書などに記載されている支給決定日)としている持続化給付金や家賃支援給付金などとは取り扱いが異なります。
(再掲)固定資産税減免特例の適用申請、期限は2月1日まで 2021.01.18
先週1月15日で申請の受付けを終了する予定だった「持続化給付金」、「家賃支援給付金」は、急きょ来月15日まで延長されることになりました。ただ、給付条件はまったく変更がないので、新たに給付対象になる中小事業者が増えるのではなく、あくまで感染拡大の影響で申請手続きに遅れが出るケースを考慮してのことです。それより重要なのは、今月から始まっている「固定資産税減免特例」の適用の申請です。
この「固定資産税減免特例」、令和3年度課税分の固定資産税等(令和3年1月1日時点の所有資産)に限り、新型コロナウイルスの影響で、令和2年2月から同年10月までの間に連続する3か月間の売上高が、対前年同期比で50%以上減少した場合は「全額免除」、30%以上50%未満減少した場合は「2分の1に軽減」される制度ですので、中小事業者等にとっては、2月から10月までの売上高の対前年同期比の確認が必要になります。
減免特例の対象資産は、固定資産税の課税対象である土地・建物・償却資産のうち、事業用家屋(減価償却費が税法上の損金または必要経費に算入されたもの)および償却資産(固定資産税を支払っているリース資産も対象)に限られます。減免特例の適用には、中小事業者等が税理士・会計士などの認定経営革新等支援機関等の申告書の確認(① 中小企業者等に該当するか ② 売上減少 ③ 特例対象家屋の居住用・事業用割合)および対象資産のある市町村等が定める様式の申告書を発行してもらう必要があり、申請期限の令和3年2月1日までにその申告書に必要書類を添付して軽減の申請を行います。
『草津市家賃支援給付金』 2021.01.11
新型コロナウイルスの影響で売上げが大きく落ち込んだ中小事業者を支援する「持続化給付金」、「家賃支援給付金」は、当初の予定どおり今週15日(金)で申請の受付けが終了します。令和2年分の確定申告をされる個人事業主で、すでに昨年中「持続化給付金」、「家賃支援給付金」に受け取った方は、その給付額を雑収入(消費税:課税対象外)で計上することになります。特にふだん事業で使用しない銀行の個人口座に振り込まれた方は、計上モレ(仕訳:「事業主貸/雑収入」など)が起こらないよう注意が必要です。
また、「家賃支援給付金」の給付決定を受けている中小事業者の内、① 草津市内に本店を登記している法人、② 草津市内に住民登録を有している個人で、申請の対象となる支払賃料が草津市内に所在する建物・土地の支払賃料である場合は、『草津市家賃支援給付金』の給付を受けられる可能性があります。ただ、これら要件のため、たとえ草津市内で事業を行なっていても、本店の登記や住民登録が草津市内でない法人や個人は、残念ながら給付対象外になってしまいます。
『草津市家賃支援給付金』の支給額は、国の「家賃支援給付金」の給付額の1/6に相当する金額(法人の場合で最大100万円・個人の場合で最大50万円)になり、給付申請は令和3年2月26日(金)まで(なるべくオンライン申請で、郵送でも可)。問い合わせは、草津市商工観光労政課(077‐561‐2351)で受付けしています。
油日神社 2021.01.03
謹賀新年。ことしもよろしくお願いします。
ふたたび新型コロナウイルスが猛威をふるっている状況ですが、元旦の朝、どこか人手が少なそうな所にと、白洲正子が著書『かくれ里』でも訪れた油日神社(甲賀市甲賀町)へ。新名神 甲南ICを降りると、大晦日から降った一面の雪景色の中、人のいない山道を行くこと約20分、到着すると案の定まだ参拝する人はほとんどなく閑散としていました。
老樹に囲まれた境内に入ってみると、なかなか雰囲気のある佇まいの神社です。正面の参道から見える楼門、回廊、拝殿、本殿(どれも国の重要文化財)が整然と一直線に並んでいて、とくに楼門から左右に広がる回廊は、広島の厳島神社を彷彿とするあまり見ない珍しい造りでした。参拝を終えた頃には、社務所に正装した地元の方々や巫女さんが集まってきて、これから拝殿でなにか神事をされる様子。ここ油日神社は山岳信仰や民族行事も行われているそうで、里山の人たちに長いあいだ大切にされてきたのがよくわかります。