日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2023年5月
滋賀県、既存住宅の省エネ対策などへ補助金強化 2023.05.29
滋賀県は、三日月知事が26日の定例会見で明らかにしたところによると、温室効果ガスや光熱費削減につながる既存の住宅への家庭向け断熱改修や効率のいいエアコンなどの設置に対しては、いままで実施されていた省エネ設備の導入等の支援をさらに強化することになりました。滋賀県広報 (shiga.lg.jp)
新たに設けられる補助金は ① 家の壁や屋根などに断熱材を入れるための改修に最大120万円 ② 最新のエアコンなど省エネ性能のいい空調設備の購入や高性能な換気設備の導入に最大5万円 ③ LED照明の購入に最大1万円 ④ 太陽光発電システムの導入・蓄電池の設置・高性能な給湯器の更新については最大30万円(昨年度まで4~6万円)になります。これらの補助に対する滋賀県の予算額は約2.4億円で、来月6月1月(木)から申請受け付けを開始します。(令和6年2月16日まで。予算額を超える申請があった場合は、その時点で受付を終了)申請先は、公益財団法人 淡海環境保全財団(滋賀県地球温暖化防止活動推進センター)です。
また、滋賀県はこの制度の拡充・改正にあたって、制度の内容について説明会(滋賀県スマート・ライフスタイル普及推進事業補助金 説明会)を開催します。説明会チラシ確 (shiga.lg.jp)ちなみに、大津会場の説明会は今週5月30日(火)14時から、コラボしが21 3階会議室で開催させる予定で、オンラインによる参加もできます。これらの補助金の強化策は対象住宅をお持ちの個人に還元される制度ですが、対象設備等を販売・工事を施工する事業者にとっても自身の事業につなげるチャンスにもなりますので、是非この機会を活用いただければと思います。
設備投資で新しい固定資産税の軽減制度がスタート 2023.05.22
令和5年度税制改正で「生産性向上や賃上げに資する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置」が先月4月からスタートしていて、わたしも「認定経営革新等支援機関」として事前確認する機会がありました。制度の概要としては、「対象企業」は市町村から先端設備等導入計画の認定を受け、かつ、資本金1億円以下等の税制上の要件を満たす中小企業、「計画認定要件」は3~5年の計画期間における労働生産性が年平均3%以上向上する等、基本方針や市町村の導入促進基本計画に沿ったものが必要になります。1-1_02_tebiki.pdf (meti.go.jp)
「導入計画」については、さきほど言いました通り、今までの軽減制度と同様われわれ税理士や金融機関等の「認定経営革新等支援機関」の事前確認が必要になります。具体的には「認定経営革新等支援機関」は確認後に『先端設備等に係る投資計画に関する確認書』4-4_03.docx (live.com)と『先端設備導入計画に関する確認書』seisanseiShienKakuninsho.docx (live.com)にそれぞれ投資・導入計画の所見を記載したうえ、導入企業に対し確認書を発行します。
「対象設備等」は投資利益率が年利5%以上の投資計画に記載された機械及び装置(160万円以上)、建物附属設備(60万円以上)等が対象になり、「特例措置の内容」として通常、固定資産税の課税標準に対し1/2の軽減が3年間継続します。また、新制度の特徴として、計画に賃上げ表明(雇用者全体の給与が1.5%増加することを従業員に表明)したことを証する書類を添付することで、1/3の軽減かつ軽減期間が4~5年間に延長する制度があります。ただし、もし表明した賃上げが達成されなかったとしても軽減期間の延長が取り消されないことになっています。
各税務署では、免税事業者向け「登録要否相談会」を開催 2023.05.15
国税局は4月に入って、消費税インボイス制度について4月以降の具体的な取組みを公表しています。これまでは、おもに消費税の課税事業者に対し、インボイス制度への周知のための対応や準備の後押しが行われていました。その結果、法人の課税事業者の88%(1,681件)、個人事業者の課税事業者の76%(575件)がインボイスの登録を済ませる(全体では76%(2,256件))ことになりました。
今後、国税庁としてはインボイス登録の検討が必要な免税事業者向けに、① 幅広い事業者に制度の関心・周知を広げる取組み ② 登録するか否かを検討している事業者に対する対応を行っていくとのことで、①の関心・周知を広げるためとして、制度をあまり知らない方でもインボイス制度を学ぶことのできるコンテンツ(YouTube国税庁動画チャンネル)がすでに公開されています。インボイス制度に関する情報ガイド|国税庁 (nta.go.jp)
また、②の登録するか否かを検討するサポートとして、5月より全国の各税務署では「インボイス制度説明会・登録要否相談会(事前予約制)」を実施しshiga02.pdf (nta.go.jp)、相談を希望する免税事業者に対し税務署職員が個別に対応するとのことで、草津税務署(077-562-1315)でも ① 5月23日(火)(事前予約締切 5月16日)・② 6月20日(火)(事前予約締切 6月13日)・③ 7月20日(火)(事前予約締切 7月13日)のほか8月・9月の計5回(場所:草津納税協会 3階会議室、14:00~15:15)されます。中小・小規模事業者(免税事業者)のなかで、インボイス登録の要否の判断に迷われている方、署の職員へ個別の相談も可能ですので、一度参加されてみてはいかがでしょうか。
大型連休の美術館めぐり 2023.05.06
ゴールデンウィーク後半、先週にひきつづき良さそうな美術館を訪ねるため、今回は新幹線から見事な富士山を眺めつつ東京に行くことに。まずは、東京メトロ 要町駅から徒歩10分のところにある「熊谷守一美術館」豊島区立 熊谷守一美術館 (kumagai-morikazu.jp)。周辺はごく普通の住宅街で、公立(豊島区)のこじんまりした建物(熊谷の家(アトリエと庭)跡地)に彼の1960-70年代の作品が展示されています。現在は「38周年展」が行われていて、彼独自の画風(はっきりとした輪郭線や鮮やかな色彩)の風景画、静物画や生物の絵画、墨画などを鑑賞することができました。
それから行ったのが、東京メトロ 表参道駅から表参道を徒歩10分のところにある「根津美術館」根津美術館 – Nezu Museum – (nezu-muse.or.jp)。ここは実業家だった根津嘉一郎の日本や東洋の古美術コレクションを保存・展示するために建てられた美術館。いまは年一回カキツバタの見頃に合わせ「(国宝)燕子花図屏風(尾形光琳)」が公開中。日本絵画の代表作で教科書にも登場する作品は、金屏風にカキツバタを緑青と群青の2色の絵の具のみで描かれていて、江戸時代中期に描かれた日本画にもかかわらず現代アートにも通じるような表現方法になっています。
館内の庭園ではすでにカキツバタが満開になっていて、庭内にはいくつかの茶室や池があり、散策したり来館者がお茶をいただけるスペースもあります。これらカキツバタは30年ぐらい前からすこしずつ庭園に植えられるようになり、いまでは約4,000株にもなったとのこと。国宝のカキツバタを鑑賞し、その後は自然の中のカキツバタを楽しむという、なかなか贅沢な時間を過ごすことができました。
「藤田美術館」の「曜変天目茶碗」 2023.05.01
週末、所用で大阪に行ったついでに、最近リニューアルオープンしたガラス張りのおしゃれな外観の「藤田美術館」(JR大阪城北詰駅すぐ)藤田美術館 | FUJITA MUSEUM藤田美術館 | FUJITA MUSEUM (fujita-museum.or.jp)へ行ってきました。美術館のとなりは実業家の藤田傳三郎が明治時代に造営した大邸宅の跡地に開かれた「藤田邸跡公園」があり、街中にもかかわらず静かなたたずまい。庭の中には1600年代に創建されこちらへ移築した「多宝塔」などがあり、本格的な日本庭園を楽しめます。
また、美術館は藤田傳三郎のコレクションを彼の蔵だったところに展示しているため、入口や窓などはそのまま蔵の扉を残してモダンな造り。内部は照明をできるだけ落とし展示物にスポットライトをあて、作品に集中して鑑賞できるよう工夫されています。館内にはお茶を楽しむ広々としたスペースもあり、となりの庭を観ながらゆったり過ごすこともできました。
展示物の中でも特に有名なのが、つい最近「美の壺」(NHK BSプレミアム)でも紹介されていた国宝の「曜変天目茶碗」。ここの展示物は国宝もふくめて撮影は自由。青色に碗の内外側にみられる光沢のある斑紋(曜変)は独特で、このような茶碗の完成品は世界で3碗しかないそうです。そのほかにも、絵画、書蹟、着物や考古物(勾玉(写真))などのあらゆる時代や種類の所蔵品があり、藤田家のコレクションをゆっくり鑑賞できます。