税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

2024年10月

令和5年分で「2割特例」採用の個人事業者の方、令和4年分の課税売上高の確認を 2024.10.27

消費税のインボイス制度の円滑な実施のため、インボイス制度に係る支援措置がいつくか講じられました。そのひとつに、いわゆる「2割特例」があります。消費税法上の「2割特例」とは、インボイス発行事業者は令和5101日から同日以後3年を経過する日までの日を属する課税期間については、消費税の納付税額を売上げに係る消費税額の2割とすることができる制度です。2割特例 特設ページ|国税庁

ただ、この「2割特例」は、本来免税事業者であった者を対象としているため、インボイス制度とは関係なく基準期間(個人事業者はその年の前々年度、法人はその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1千万円を超えると消費税の課税事業者となってしまい、「2割特例」が使えなくなってしまいます。たとえば、令和5年分の確定申告で「2割特例」で消費税の申告をした個人事業者の方で、令和6年分の確定申告で前々年度の令和4年分の課税売上高が1千万円を超えた場合、引き続きでの「2割特例」の採用ができなくなります。2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要|国税庁

また、「2割特例」の適用を受けたインボイス発行事業者が、「2割特例」の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出したときは、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。ようするに、令和6年分で「2割特例」の適用がなくなる個人事業者の方で、消費税の簡易課税制度を適用しようとする場合、令和61231日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要になりますので注意が必要です。

非居住者等から土地等を購入した場合、源泉徴収もれに注意 2024.10.12

非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という)から日本国内にある土地等を購入し、その譲渡対価を国内で支払う方(買主)は、その非居住者等に対して対価を支払う際に、10.21パーセントの税率により計算した額の所得税および復興特別所得税を源泉徴収し(ただし、1億円以下かつ対価を支払う個人が自己または親族の居住用とする場合を除きます)、原則として支払った月の翌月10日までに納付しないといけないので、納付もれがないよう注意が必要です。No.2879 非居住者等から土地等を購入したとき|国税庁 (nta.go.jp)

また、とくに納付もれが生じやすいケースとしては、買主が非居住者等(売主)に対して土地等の譲渡対価を日本国外で支払う場合です。このようなケースでも、その買主が国内に住所もしくは居所または事務所等を有するときは、国内源泉所得を国内において支払うものとみなして、源泉徴収しなければいけません。この場合の納付期限は、支払った月の翌月末日となります。(「土地等」とは、土地または土地の上に存する権利、建物およびその付属設備もしくは構築物をいいます)

したがって、買主には源泉徴収の義務が発生した場合、期日後で納税したとしても不納付加算税(納税額の10%。指摘される前なら5%)が課税されることになります。買主としては、自分の所得税ではなく売主側の所得税を支払わなければならない特殊なケースなので、わからないまま納税漏れになってしまうことが考えられます。売主の住所・振込先の口座・送金先・書類のやり取りの住所等に、海外の記載があるようなときは、売主に非居住者でないかどうかをよく確認するようにしましょう。

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