日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
「住宅ローン減税」と「住宅取得等資金の贈与の特例」の重複に注意 2019.03.03
確定申告まっさかりの今、住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の適用1年目で確定申告される方もおられると思います。もし、そのなかで昨年中に親などから住宅購入資金の贈与を受け、これも別途非課税の特例を利用しようされる方がいたなら、申告額の重複に注意が必要です。
たとえば、親から500万円の贈与を受け、金融機関から2000万円の住宅ローンを借り入れ2300万円のマンションを購入したとします。その場合、年末のローン残高が1900万円だったとしても、マンション購入価額2300万円から贈与額500万円の差額1800万円を基に住宅ローン減税の控除額を計算することになります。住宅購入以外でも、家具の購入や引っ越し費用など資金が必要ですが、それらは住宅ローン減税の対象にはなりません。
昨年末、住宅ローン減税と住宅取得等資金の贈与の特例との重複利用が2013年から4年間にわたり約1万件以上あり、国税庁がそのミスを見落としていたのがニュースになっていました。ただし、これはミスというよりは景気対策のために後付け的な減税措置が積み重なり、一般納税者では対応できない複雑すぎる仕組みになってしまっている方が問題かと思います。