日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
4月1日から相続した空き家で節税しやすくなりました 2019.04.22
相続した空き家の敷地等を売り、一定の条件を満たした場合、譲渡所得から3000万円を控除できる特例(空き家譲渡特例)を受けるには、今年(2019年)12月31日までに譲渡する必要がありましたが、平成31年度税制改正により2023年12月31日まで4年間延長されました。これにより、どうしても本年中に(価格を下げてでも)売却しなくてもよく、来年以降でも適用要件を満たし、かつ、現在売却先を探されている方には朗報といえます。ただ、相続開始後、3年を経過する年の12月31日までに相続した空き家を譲渡する必要がありますので注意が必要です。
また、従来は被相続人となる親が相続発生の数年前に老人ホームなどに入所していると適用されないケースが多かったのが、以下①、②の条件を満たしていれば3000万円の控除が認められ、適用要件のハードルがすこし下がりました。『① 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所していたこと ② 被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。』この新ルールは、税制改正法案の成立・公布後の「2019年4月1日以後の譲渡」から適用可能です。残念ながら3月31日までに譲渡してしまった方には適用されず、改正前の条件で判定することになります。