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日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

生前贈与の「相続時精算課税制度」、修正申告では非課税枠2500万円なしに 2019.11.04

2019年も11月に入ってそろそろ年末に近づいてくると、今年中の「生前贈与」を検討している方もいるかもしれません。生前贈与には、1人あたり年間110万円まで非課税の「暦年贈与制度」と「相続時精算課税制度」の2つの方法があります。「相続時精算課税制度」の概要は、① 非課税枠(特別控除)・・選択後、一生の累計額2500万円 ② 適用対象者・・贈与者は満60歳以上の父母・祖父母等、受贈者は満20歳以上の子や孫(養子を含む) ③ 申告は必ず必要 ④ 税率は20%(2500万円控除後) ⑤ 相続発生時に、贈与財産はすべて相続財産に持ち戻して相続税を計算などになります。

「相続時精算課税制度」で注意しなければならないのが、「相続時精算課税制度」を選択した後、その選択した父母・祖父母等からの贈与について、「暦年贈与制度」を適用することはできないことです。たとえば、父から「相続時精算課税制度」を選択して1000万円贈与を受けた年の翌年以降、同じく父より暦年贈与のつもりで110万円贈与を受けたとしても、「相続時精算課税制度」として翌年315日までに贈与税の申告をしなければいけません。贈与税額は非課税枠1500万円(当初2500万円-前回の贈与額1000万円)の範囲内ですので贈与税額はゼロですが、父の相続税の計算では累計額1110万円を相続財産に加算する必要があります。

やっかいなのは、この110万円贈与について、「相続時精算課税制度」として贈与税の申告をしていなかった場合で、その後に期限後申告をしたとしても非課税枠(特別控除)の適用はありません。したがって、22万円(贈与額110万円×税率20%)の贈与税額および加算税・延滞税の納付する必要がでてきます。また、父の相続税の計算では、この110万円も含め累計額1110万円相続財産に加算しますが、父の相続で相続税がある場合、支払った22万円の贈与税は相続税の前払いとして相続税から控除できます。