日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
消費税率以外でも法人に対する各税率が大幅に変更 2020.02.10
2019年10月1日から消費税率10%への変更について、みなさんご承知のとおりですが、事業を営む法人に課される各税金の税率についても、2019年10月1日から開始する事業年度より大幅に改正されています。たとえば、草津市に所在する法人の場合、法人税 23.2% → 23.2%(変わらず)、地方法人税 4.4% → 10.3%、法人県民税(滋賀県) 4.0% → 1.8%、法人市民税(草津市) 12.1% → 8.4%、法人事業税 6.7%→ 7.0%、地方法人特別税 43.2% →(廃止)、特別法人事業税(創設)37.0% となっています。(法人に課される税金だけで、これだけあります)
にもかかわらず、実効税率、つまり法人の所得金額に対する上記税金の合計額の割合は、ほぼ変わりません。実効税率の基本的な計算式は、{法人税率 + 法人税率 × (地方法人税率 + 法人県民税率 + 法人市民税率) + 法人事業税率}/{1+法人事業税率}(法人事業税は所得の計算上費用になるため分母にも入ります)で、税率34.263%から34.260%へわずかに低下するだけです。
地方間での税収の偏在の是正など、地方の法人課税の税源の差を改善するため必要な改正と理由付けされていますが、われわれ税理士からいうと、もっとシンプルでわかりやすい税金のしくみにできないかと思います。この改正は2019年10月1日開始の事業年度から適用されるので、2020年3月31日の予定申告書から適用にされ、そのときに地方税の申告書様式も変更されているでしょう。いずれにしても税務申告ソフトが対応してくれ、とくに作業が増えるわけでもないですが、こういうとき手書きの時代に税理士をやってなくてよかったと思わざるを得ません。