日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
消費税の課税期間、3か月か1か月への短縮が可能 2020.10.12
事業者は消費税については、その課税期間の終了の日の翌日から原則2か月以内(個人事業者は12月31日の属する課税期間は翌年3月31日まで)に消費税の確定申告書を提出し税金を納付しなければなりません。その課税期間とは、個人事業者は1月1日から12月31日までの1年間、法人については事業年度(3月末決算法人では、4月1日から3月31日まで)とされています。
ただ、特例として『消費税課税期間特例選択届出書』を提出することにより、3か月毎または1か月毎に短縮することができます。大きな設備投資を行ったことにより多額の消費税の還付が見込まれたり、輸出業を行う事業者で輸出免税により消費税の還付がある場合、中間申告の仮決算では計算した税額がマイナスでも還付を受けることができない(納税額0まで)ため、早期に還付を受けるため課税期間を短縮して、そのつど還付を受ける方法があります。
また、個人事業者でも、いまから来年の設備投資の有無がわからない場合が少なくありません。もし、令和2年中に特に届出せず、令和3年当初は消費税の免税事業者または簡易課税事業者であったとしても、設備投資する月の前月末以前に『消費税課税期間特例選択届出書』を提出(たとえば4月設備投資で、3月届出書を提出、4月より課税期間の特例適用)し、同じく『消費税課税事業者選択届出書』または『消費税簡易課税制度選択不適用届出書』を提出すれば、設備投資にかかる消費税の還付を受けることができます。ただし、特例の適用開始から2年間は、継続して3か月毎または1か月毎に消費税の確定申告および納付しなければならず、設備投資等の還付額に対して申告事務の負担増やその後の消費税の納付額と比較する必要があります。