日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
白洲正子『かくれ里』と「武相荘」 2021.08.30
先週末は久々の晴天だったので、滋賀の紀行エッセイで著名な白洲正子『かくれ里』に登場する「石馬寺」(東近江市五個荘)へ行ってきました。もとより感染対策を考え、車による移動で朝早くの拝観だったので他に訪れる人もなく、すずやかな古刹の雰囲気を独り占めしているよう。山の中腹に開かれたこの禅寺 石馬寺にたどり着くには、少々息のあがる「かんのん坂」という石段の坂を登りますが、乱れ積み石の苔の美しさや蝉の鳴き声、横を流れる水音に癒され疲れを忘れさせます。そして、石段を登り切って境内にある建物は意外と簡素な造りですが、宝物が安置されている宝物殿には多くの文化財があり、十分に見応えがありました。
それから、写真は昨年秋に東京へ行った際に訪れ、まだブログで紹介していなかった「旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)」(東京都町田市)。ここは正子が夫 白洲次郎と亡くなられるまでの約50年間暮らした家で、記念館として2001年にオープンされたもの。「武相荘(ぶあいそう)」とは、白洲次郎の洒落で「武蔵の国と相模の国との国境に位置する」から名付けられました。
これは次郎が実際に制作した門前にある新聞受けで、丸太をくりぬいた臼の上の「〒」と「しんぶん」の文字は自ら彫って着色したとのことで、彼のユーモアのセンスがよく表れています。緑の林に囲まれた茅葺屋根の母屋の内部には、正子の蔵書でいっぱいになった書棚、応接室の陶器やリビングの雑誌など、当時のままに置かれていて二人の生活の様子を垣間見ることができます。