日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
連結納税、来年度から「グループ通算制度」へ移行 2021.11.22
親会社と100%子会社の企業グループを一つの企業として法人税を納税する連結納税制度、2022年4月1日から開始する事業年度から「グループ通算制度」に移行されます。新しい制度では税務調査で税額の修正などがあった場合でも、連結納税制度では行ってきたグループ全体の税金の再計算は基本的に不要で、修正のあった法人のみの再計算で済みます。企業にとっては損益通算のメリットは維持しつつ事務負担の軽減ができ、また申告書の作成などに関与する我々税理士にとってもありがたい制度です。
現在、連結納税を採用している企業は、原則自動的に「グループ通算制度」に移行することになっていて、ほとんどの企業が新制度に移行すると見込まれています。また、「グループ通算制度」移行前に、連結親法人が『グループ通算制度へ移行しない旨の届出書』を税務署長へ提出した場合には、連結納税から通算制度を適用しない単体納税に戻ることもできます。
連結納税を採用していなかった企業が「グループ通算制度」の適用を受けようとする場合には、同一の通算グループとなる法人のすべての連名で、『通算制度の承認の申請書』を通算親法人となる法人の所轄税務署長を経由し、国税庁長官に提出することになります。その提出期限は、通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の3月前の日までとなっていて、新制度がスタートする2022年4月1日から適用するのであれば、今年の12月末までに提出が必要になりますので注意が必要です。