日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
ECモールで販売する外国法人は、インボイス制度への対応が必要です 2022.08.01
1つの大きなサイトの中に、複数の企業やショップが出店または商品の出品を行うオンライン上のショッピング・モール、いわゆる「ECモール」で楽天市場・AmazonジャパンやYahoo!ショッピングなどが形成する市場規模は、2019年大きいもので単独3兆円を超えるとのことです。このようなECモールで自社商品を販売(自社ECサイトも含む)している非居住者や外国法人については、免税事業者に該当しない場合、本来は消費税の納税義務を負っていた可能性がありました。
このような中、2023年10月からスタートする消費税インボイス制度においては、これらの非居住者や外国法人は、基準期間の課税売上高や資本金から消費税の課税事業者に該当するか否かを判定し、もし課税事業者に該当するのであれば、国内の事業者と同様に、適格請求書発行事業者として「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出が必要(2023年3月まで)になります。
特定国外事業者(日本国内に事業拠点など(PE)がない事業者)は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出するため、登録申請時に納税管理人を選定することになりますが、納税管理人未届の場合は登録取り消しもあり得ます。また、たとえ免税事業者であっても、ECモールで買い物をする購入者には(仕入税額控除を適用する)法人も含まれるので、他の出店者との競合を考えると、「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出の是非を、あらかじめ検討しておく必要があると思います。