日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
消費税申告書等の新様式、「2割特例」に対応 2023.04.17
10月より開始する消費税インボイス制度、その登録件数は累計268万件(法人・個人事業者)に達し、当初は伸び悩んでいた個人事業者も3月中に増加、累計件数で85万6,060件、2016年の個人事業主数(198万件)に基づく登録率は43.2%、課税事業者(110万件)では登録率 77.8%となっています。これらは、個人事業者の方々が確定申告の納税時期でインボイス制度に対応された結果と思われます。
また、免税事業者など小規模事業者がインボイス発行事業者になった場合、税負担・事務負担を軽減するため売上税額の2割を納税額とする、いわゆる「2割特例」の負担軽減措置の導入(令和8年9月30日の属する課税期間まで)があります。この「2割特例」では経費等の集計やインボイスの保存は必要なく、所得税・法人税の申告で必要な売上高・収入高を税率ごと(10%・8%)に把握するだけで簡単に申告書を作成することができます。invoice.pdf (mof.go.jp)
そして、国税庁は3月31日付で、「2割特例」の適用等に対応する消費税申告書等の新様式を公表しました。「消費税の軽減税率制度に関する申告書等の様式の制定について」等の一部改正について(法令解釈通達) |国税庁 (nta.go.jp)この新様式では、「2割特例」の適用を受けることを示す『税額控除に係る経過措置の適用(2割特例)』の欄が設けられていて、この欄に適用を受ける旨を付記することで、事前の届け出なしで適用を受けることができます。ただ、これは継続適用ではなく、その後の基準期間(2年前・2期前)における課税売上高が1千万円を超えた場合は、「2割特例」の対象とはなりません。いったん「2割特例」を適用できた事業者も、基準期間の課税売上高を確認する必要が出てきます。(財務省『インボイス制度の負担軽減措置のよくある質問とその回答 』問4(qa_futankeigen.pdf (mof.go.jp))