日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
「低未利用地等の譲渡特例」、今年の譲渡から適用範囲が広くなりました 2023.10.10
令和5年度税制改正の大綱において、「低未利用地等の譲渡特例」については、その適用期限を3年延長し、また適用範囲が広くなりました。「低未利用地等の譲渡特例」とは、地方部を中心に全国的に空き地・空き家が増加する中、新たな利用意向を示す者へ土地の譲渡を促進する目的で令和2年7月1日から導入されたもので、一定の未利用地を500万円以下で譲渡した場合、長期譲渡所得の金額から最大100万円(約20万円の税額低減)を控除できる制度です。001491974.pdf (mlit.go.jp)
今回の改正では、令和5年1月1日から令和7年12月31日までの間に譲渡された低未利用土地等が、『① 都市計画法に規定する市街化区域 ② 都市計画法に規定する区域区分が定められていない都市計画区域のうち、用途地域が定められていない地域 ③ 所有者不明土地対策計画を作成した自治体』の①から③のいずれかの区域内にある場合、譲渡対価の額の合計の範囲が「500万円以下」から「800万円以下」へ広げられました。平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案) (zentaku.or.jp)
適用にあたっては申告前に(税務署でなく)市町村の確認を受ける必要があります。具体的には土地の所在地の市町村に申請書(添付書類:売買契約書、登記簿謄本、低未利用地だったことを証明できる書類、譲渡後の利用について確認できる書類)を提出し「低未利用地等確認書」を発行してもらい、所得税の確定申告書に添付して所轄税務署に申告します。確認書の発行には通常約1週間~3週間かかり、また年明けからは納税者の申請も集中することも予想されますので、それも踏まえて早めに準備されることをお勧めします。