日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
令和5年分年末調整、国外居住親族に係る扶養控除の要件が変わります 2023.11.13
ようやく季節外れの暑さも和らいて今年もあと1か月あまり、12月からは(令和5年分)年末調整の時期になります。今回の年末調整での改正点では、国外に居住する親族(以下、「非居住者親族」)である扶養控除等の適用対象者のうち30歳以上70歳未満の者は原則除外されることになりました。ただし、① 留学により国内に住所および居住を有しなくなった人 ② 障害者 ③ その居住者からその年において生活費または教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人については、例外的に適用対象となります。0022009-107_01.pdf (nta.go.jp)
従来から非居住者親族が居る場合、扶養控除適用には「給与所得者の扶養控除等申請書」の他、「親族関係書類」(戸籍の附表の写しそのたの国・地方公共団体が発行した書類、非居住者親族の旅券の写しなど)や「送金関係書類」(非居住者である親族への金融機関発行の送金書類、クレジットカード発行会社が発行したカード利用明細書類など)の提出または提示が必要とされていました。[手続名] 国外居住親族に対する送金関係書類の明細書|国税庁 (nta.go.jp)
これに加えて令和5年分からは、30歳以上70歳未満の留学生(上記①の者)については扶養控除等申告書等の提出時に「留学ビザ等書類」(外国査証(ビザ)や在留カードの写し)、38万円以上の送金を受けている者(上記③の者)は年末調整時に「38万円送金書類」が新たに追加されました。外国人を従業員として雇用している会社にとって、外国人が日本で給与等を得た場合には年末調整が必要となり、その際にもこれらの書類(とくに「38万円送金書類」)の提出または提示が求められますので注意が必要です。