日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
定額減税、給与所得者は6月給与の源泉徴収から 2024.01.14
先月決定した令和6年度税制改正大綱では、サラリーマンなどの給与所得者(年収2000万円超を除く)の場合、ことしの6月から1人当たり所得税3万円と住民税1万円の定額減税が始まります。減税額については納税者本人に加えて配偶者を含めた扶養家族も対象で、たとえば夫婦と子供2人の4人世帯の場合、扶養者分も含めた計16万円が減税されることになります。000919575.pdf (soumu.go.jp)
所得税の定額減税は、勤務先が従業員に対して給与を支払う際、あらかじめ差し引く所得税や復興特別所得税(源泉徴収額)を定額減税分減らし、その分の手取りを増やす方法で行われ、6月に1人当たり3万円分を一度に減税しきれない分は翌月以降に繰り越して順次減税し、減税額が3万円になるまで続きます。たとえば、毎月支払う源泉所得税額が7000円の場合、6~9月の4カ月間の所得税の減税額は2万8000円でその間の所得税支払額はゼロ、10月には3万円から2万8000円を引いた残額の2000円が減税され、支払額は5000円となり定額減税は完了します。また、定額減税のうち源泉徴収分から控除しきれない金額が生じた場合には、令和7年分の所得税には繰り越さず、基本的に年末調整で対応するとのことです。
一方で、住民税は企業などのシステム上の課題もあり6月分を徴収せず、7月から11カ月間、減税した分の住民税を均等に割り振る方法で徴収します。4人家族で年間の住民税支払額が12万円の場合、減税される4万円を差し引いた8万円が住民税の支払総額となります。この8万円を11カ月間で割った額である7,272円が来年5月まで毎月徴収されることになります。