日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
建物附属設備や構築物の償却方法で定率法の廃止 2016.04.12
平成28年度税制改正により、平成28年4月1日以降に取得する建物附属設備(電気設備、給排水設備、冷暖房設備、昇降機設備(エレベーター)など)や構築物(舗装道路・路面、防壁、工場緑化施設など)から、減価償却費を計算する償却方法について、従来は定率法か定額法のいずれか採用できましたが、定率法が廃止され建物の償却方法と同様に定額法のみ適用になりました。
例えば、ある法人が敷地内道路・路面を1000万円でアスファルト敷(耐用年数10年)にした場合、従来の定率法であれば償却率0.200ですので、初年度は1000万円×0.200=200万円(通期ベース)となります。これが、今月4月以降に事業の用に供した場合、定額法の償却率0.100ですので、初年度は1000万円×0.100=100万円(通期ベース)で税効果が半減(200万円-100万円)することになります。
もちろん、減価償却計算ですので耐用年数の期間で考えると、定率法も定額法も費用化される減価償却費は(取得価額-1円)と変わりません。ただ、この事業年度は節税対策もかねて建物附属設備や構築物の資産を取得し、翌事業年度は役員報酬の増額で対応することもありますので、定率法廃止の影響は少なからずあると考えられます。