日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
関与先と上半期の業績検討会をしました 2014.12.26
12月は3月・4月末決算法人の社長・経理担当者や取引金融機関と上半期の業績検討会を行いました。内容は当期の上半期実績数値や通期見通し数値を、① 前年同期の数値 ② 予算数値 ③ 同業他社の統計値(TKC経営指標Bast)と比較・分析します。TKC経営指標Bastの統計値は、売上規模別や黒字企業のみに分類でき非常に役立ちますが、特に製造業などは対象製品によって違いが出るため、実績値との分析に苦労する場合もあります。注意しないといけないのが、損益計算書で最終黒字をキープしても、借入金に負担が大きいと資金が不足してしまうことがあるということです。
たとえば、翌期予算額が、売上高 100,000千円・総費用額 95,000千円(内 減価償却費5,000千円)の場合、最終損益は5,000千円(売上高100,000千円‐総費用額95,000千円)で一見問題ないようですが、借入金の元本返済額は費用にならないため(支払利息は費用額に含まれる)、翌期の元本返済総額が 20,000千円(A)の場合、単純に返済可能額を計算すると、売上高 100,000千円 – 総費用額 95,000千円 + 減価償却費 5,000千円= 10,000千円(B) となり、現金収支が△10,000千円((B)-(A) 現金残高の減少)になります。
借入金の負担が大きいと、それなりの黒字計上が必要になるわけです。