日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
雇用調整助成金、会計表示の方法もいろいろ 2020.09.14
新型コロナウイルス感染の影響から、最近は雇用調整助成金の受給を受けるケースが出てきています。雇用調整助成金は収益計上(消費税は課税対象外)が必要で、持続化給付金、家賃支援給付金などと同じ取扱いになります。
ただ、収益計上時期については「週刊 税務通信(No.3616) タックスフントウ『雇用調整助成金の法人税の取扱い』」にも解説されていて、一般の給付金等のような支払決定日ではなく「その給付の原因となる休業の事実があった日の属する事業年度の益金の額に算入する」で、決算処理時には各労働局から届く「支給決定通知書」の判定基礎期間に基づき、損失の額(実際に支給した休業手当の額等)と対応させ未収入金(見積額を含む)を計上します。所得拡大促進税制の適用にあたっては、休業手当は給与等に含めますが、この雇用調整助成金は控除しますので、こちらも注意が必要です。
雇用調整助成金の会計表示には、もともと休業手当とは別のものと考え、営業外収益(雑収入)や特別利益に計上するのが一般的ですが、国際会計基準(IFRS)では休業手当を補てんするものとして人件費と相殺表示する場合もあります。テーマパーク事業を運営する法人(日本基準)では、臨時休園期間中のテーマパーク事業で発生した固定費(人件費・減価償却費など)から雇用調整助成金を控除した金額を特別損失で計上した例もあり、従来から指針がなく表示方法にばらつきがあるようです。