日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
所得税の第2期予定納税、11/15まで減額申請が可能 2021.11.01
給与所得者が源泉徴収を経て年末調整を行うように、個人事業所得や不動産所得のある納税者の方で、前年分の所得金額や税額などを基にして計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上の場合、その年の所得税等の一部をあらかじめ納付する必要(予定納税制度)があります。前年令和2年分の税額等を基にした「予定納税基準額」が15万円以上の方は、「予定納税基準額」の「1/3の金額」を(第1期分)令和3年7月1日~8月2日、(第2期分)令和3年11月1日~11月30日の納付期間に納付(振替日は納期限と同日)することになっています。
ただ、予定納税の義務のある方が、事業不振等により納付期間前日の6月30日、10月31日の現況で申告納税見積額が「予定納税基準額」に満たないと見込まれる場合、予定納税額の減額を求める減額申請の手続きができます。たとえば、緊急事態宣言等解除後も事業回復が遅れ、第2期分の予定納税額を納付することが困難と見込まれる場合、今月の11月15日までに『予定納税額の減額申請書』を所轄税務署に提出することで減額の申請が可能です。この際申告納税見積額(10/30の現況による)の計算の基礎となる事実を記載した書類の提出も必要になります。
減額申請の理由については、事業の全部・一部の廃止・休止・転換(法人成りも含む)、災害・盗難・横領のよる損害、多額の医療費を支払った並びに扶養親族の増加、社会保険料控除・小規模事業共済等掛金控除など金額の増加のケースも認められます。令和3年分の確定申告の法定納期限は、現在のところ令和4年3月15日になっています。この予定納税額を納付すると確定申告で還付されるとしても、実際手元に還ってくるのは数か月後になってしまいます。とくに個人事業者で資金繰りに留意しないといけない納税者の方にとっては、この予定納税の減額申請を検討されてはいかがでしょうか。