税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

『電子保存義務化 2年猶予』 2021.12.13

原則、紙での保存が義務付けられている帳簿書類について、電子データ(電磁的記録)で保存をするための要件や電子データでやり取りした取引情報の保存義務などを定めた「電子帳簿保存法」、「① 電子帳簿・電子書類保存」「② スキャナ保存」は法律上任意ですが、「③ 電子取引」は規模に関わらず全ての法人・個人事業者に、令和411日からきちんとした対応が求められていました。

とくに中小企業にとって影響する取引として、電子メールで請求書・領収書その他これらに準ずる書類がPDFで添付されるものを受け取ったケースで、請求書等をPDFからの出力書面等による保存に代わり、専用のソフトウェアやタイムスタンプを使わない場合、① 請求書データ(PDF)のファイル名に規則性をもった内容を表示する ② 取引の相手先や各月などの任意のフォルダに格納するなど、追加で煩雑な事務作業が必要になり、施行日が迫った12月現在でも対応が困難な状況でした。

そのような中、126日付日本経済新聞の記事『電子保存義務化 2年猶予』では「政務・与党は20221月に施行する電子帳簿保存法に2年間の猶予期間を設ける。」と報じられました。「近くまとめる22年度与党税制改正大綱に盛り込み、年内に関連の省令を改正する。」とのことで、さしあたって2年間は従来の保存方法でも容認されるようです。これは日本のデジタル化の遅れというより、改正後も紙と電子の二重管理が必要なこと、法改正の認知度の低さなど、改正法自体とその方法に問題があったのではと思います。

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