日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
連結納税を採用する法人が増えています 2014.09.03
関与先が親会社の意向で、連結子会社として、連結納税制度を採用されます。(TKC税効果会計システム eTaxEffect使用)連結納税制度とは企業グループ全体を一単位として納税し、税負担を軽減しようとするものです。
概略をごく簡単に説明しますと、A社(親会社)、B社(子会社)、C社(子会社)があり、各所得金額が、A社 5千万円、B社 1千万円、C社 △2千万円の場合、連結納税導入前での各納税額は、A社 1,275万円(5千万円×25.5%)B社 255万円(1千万円×25.5%) C社 0円 合計 1,530万円(1,275万円+255万円+0円)になります。
しかし、連結納税ですと、各納税額は、A社 1,275万円(5千万円×25.5%) B社 255万円(1千万円×25.5%)C社 △510万円(△2千万円×25.5%) グループ納税額 1,020万円(1,275万円+255万円+△510万円)になり、税額が低減されることになります。(税額控除適用なし、中小法人の軽減税率および復興特別法人税は考慮外)ただ、あくまで税額計算の概略であり、所得金額までの計算方法、所得税額控除の適用方法など、単体納税とは異なる考え方になります。
採用する場合の留意したい点として・・ ①連結納税を採用すると通常は単体納税に戻るのが難しい(私のケースでは、申請後の承認前に、国税局から再度連結納税でよいかの確認の電話がありました)②連結親会社と連結子会社は、100%の資本関係(直接または間接)が条件 ③適用を開始する事業年度の開始の日の3か月前までに国税庁長官(所轄税務署長経由)への申請が必要 ④地方税(事業税、地方法人特別税、都道府県民税、市町村民税)が適用されないなど・・・ですが、今後は採用するグループ企業は増えてくると予想されます。