日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2018年1月
研修講師で浜松へ行く 2018.01.18
昨日はTKC全国会海外展開支援研究会が開催する研修会の講師でTKC浜松センターで行ってきました。テーマは『関与先が海外進出する際に知っておきたい国際税務の基本』ですが、㈱TKCの事務局の方によると「いままで研修会は、ほとんど東京、大阪で開催されていたので、今回は地方都市で開催してみました。」とのこと。しかし、浜松市は人口約80万かつ政令指定都市、加えて有名企業を筆頭に大小のメーカー企業が数多く存在します。結果は事務局の方の読みどおり、日頃は研修に参加できない浜松や静岡県下の会員先生ならびに研究会に未加入の先生にも参加いただき、東京や大阪での人数を上回ることになりました。
研修の内容は、最近の国際税務をとりまく状況、非居住者等に対する課税関係、アジア各国の会計・税務の簡単な紹介、海外進出する際の税務など、研修に参加いただいた会員税理士の関与先様が直面するであろう問題点をできるだけわかりやすく説明したつもりです。ただ、この研究会の講師は何回もやっていますが、やはり人前で話しするのはむずかしい。毎回講義後はもう少しうまく話せたのでは・・と、後悔や反省することが多いです。そのあと、地元信用金庫の国際業務課の方から情報提供と進出サポートの紹介、最後に会員税理士によるTKCソフトウェアの海外ビジネスモニター(OBMonitor)の紹介などあり、なんとか無事に終了しました。
そのあとは近くの居酒屋で懇親会があり、研修に出席された税理士先生、事務方としてでお世話になった㈱TKCの社員さんと飲みながら、楽しい時間を過ごすことができました。懇親会のあと二次会もあったようですが、私は帰りの新幹線の関係から失礼させていただきましたが、今後もこのような研修会でお役に立つことがあればと思います。
簿価減額方式か? 積立金方式か? 2018.01.08
中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得し、(税額控除でなく)特別償却を選択した場合、税法には損金経理により圧縮対象資産の帳簿価額を減額する「簿価減額方式」と、確定決算又は決算の確定の日までに剰余金の処分により圧縮積立金を積み立てる「積立金方式」の2つの規定がありますが、ほとんどは「簿価減額方式」を採用さる場合が多いと思います。
たとえば、期首に1台 1000万円(耐用年数 5年、定額法、即時償却適用)の機械装置を取得したケースで「簿価減額方式」での会計処理は・・(取得時) 機械装置 1000万円/現預金 1000万円 (決算時) 減価償却費 1000万円(通常の償却 200万円=1000万円÷5年、特別償却(即時償却)800万円=1000万円-200万円)/機械装置 1000万円・・になります。非常に処理がシンプルで、翌期以降は会計処理をする必要がありません。取得事業年度は通常200万円だった減価償却費が1000万円になり、’’差額の800万円×実効税率’’が課税の繰延べになります。金額が大きい場合は税額控除でなく、このような特別償却(即時償却)を採用することもあります。
また、「積立金方式」での会計処理は・・(取得時)機械装置 1000万円/現預金 1000万円(決算時)繰越利益剰余金 1000万円/圧縮積立金 1000万円(税務上、減算処理)、減価償却費 200万円/機械装置 200万円、圧縮積立金 200万円/繰越利益剰余金 200万円(税務上、加算処理)・・になりますが、翌期以降も減価償却計算および会計処理が必要になります。
それでは、「積立金方式」を採用される理由とは?「簿価減額法」は会計原則に定める固定資産についての取得原価主義に反するということで、大企業では一部の圧縮記帳を除いて認められていません。したがって、会社グループとして「積立金方式」を採用している場合にはそれに従うことになります。また、取得事業年度において「簿価減額方式」を採用すると営業利益や経常利益が実体より悪化(耐用年数をかけて平準化)するため、予算作成や金融機関提出資料であえて「積立金方式」を採用する場合もあります。
謹賀新年 2018.01.02
旧年中のご芳情を厚く御礼申し上げます。本年もよろしくお引き立てのほどお願いいたします。
写真は元旦の午前中に墓参りをして、その後立ち寄った清水寺から撮った清水新道・茶碗坂を経て京都市街の風景です。この日は天気もよく、それからやはりアジアからの観光客が多かった。年始は1月5日(金)より仕事始めになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。