日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2019年1月
バランスシート重視 2019.01.28
いま何社か英文の決算書を作成していますが、提出先の株主である外国法人によって、いろいろパターンがあります。ひとつは日本の決算書を数値や勘定科目は変更せず、勘定科目のみ英語名へ変更するもの。あとは、提出先の会計基準(おおむねIFRS)に合わせた決算書作成のため、日本の決算書から必要な修正仕訳を追加するいわゆる英文財務諸表で、この特徴は「バランスシート重視」。表示するものは時価で計上し、長期短期もできるだけ区分する必要があります。
たとえば、保険積立金は解約返戻金相当額で再評価し、固定資産は特別償却などで直接簿価が減額されたものは当初の取得価額でベースに計上し直さなくてはいけません。減価償却費計算などを考慮するとなかなかやっかいな作業で、最後は準備金方式で表示します。リース未払金、長期借入金なども1年以内返済予定のものは短期負債に計上することになります。一方、損益計算書はこれでいいのか・・と思うほどシンプルで、製造原価や販管費は合計額のみの表示、営業外損益や特別損益の区分もありません。バランスシートの内容さえしっかりしていれば問題ないということでしょうか。当然のことながら、これらは日本の税務には影響はなく、税務申告書は日本の決算書をベースに作成することになります。
ジビエ料理 2019.01.21
先週土曜日、関与先さまの他士業の方と彼おすすめの和食店へ行ってきました。場所は京阪 唐橋前駅から瀬田の唐橋を渡ってすぐ(東詰)のところ。瀬田の唐橋は昼間たいてい渋滞しているので、車でほとんど通過することはないですが、夜に徒歩で唐橋を歩くと、遠くの灯りが川面に映ってなかなか風情がありました。ここ和食店『炭火割烹 蔓ききょう』は、ジビエ料理を出すことで有名で、「ジビエ」とは狩猟によって食材として捕獲された野生の鳥獣のこと。畜産との対比で使われることが多いそうです。とりあえず、スタートは焼野菜盛合せ(10種)から。それから、「酔っ払い蟹」こと・・せこ蟹のお酒漬けに鮒ずしは、店主が選んでくれた日本酒にもよく合います。
メインはメニューのジビエ料理の中から鹿肉の炭火焼きをいただき、最後の締めにカレーライス。ここは入荷があれば熊肉や鳩肉なども出すそうで、「厳選した素材をシンプルに炭焼きで」をポリシーにしています。
テーマ『相続税対策と事業承継税制等』 2019.01.14
今週ある公益財団法人にて、テーマ『相続税対策と事業承継税制等』のセミナーで1時間ほど講師をやります。内容は、まず生前贈与、生命保険の活用などオーソドックスな相続税対策を解説し、あと昨年4月に新設された「特例事業承継税制等」について概要を簡単に説明する予定で、レジュメも完成しました。
民法上は贈与について「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意志を示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」(民法第549条(贈与))としています。なかには(贈与者が受贈者の)贈与税の申告および納付さえすれば、贈与が成立すると思われている方もおられます。贈与税の申告・納付は当然必要ですが、贈与(民法上の贈与)が成立するか否かの判断自体とは無関係です。加えて、年間の贈与額は110万円以下であれば申告は不要になります。やはり贈与者と受贈者が自署による贈与契約書を作成・保管し、受贈者が自身で通帳・届け出印・キャッシュカードを管理しておくことが重要です。
また、不動産を生前贈与する場合、贈与税の他に不動産取得税、登録免許税を考慮する必要があります。たとえば、固定資産税評価額2000万円の不動産(住宅)を贈与した場合、60万円(3%:住宅及び土地の取得で、商業ビル等の住宅以外の家屋は4%)および登録免許税40万円(2%)が納付(計100万円)になります。相続でしたら不動産取得税は不要、登録免許税のみ8万円(0.4%)ですので、これらも含めて生前贈与するか否か判断しなくてはいけません。
わたしのCD名盤 2019.01.07
昨年の後半は自家用車のオーディオが突然故障し、苦労しました。年末ディーラーは忙しく、そこから専門店へ出して修理するので、思いがけず時間がかかってしまった。なんとか昨年中に復活して一段落。現在はふたたび音楽の良さを実感している状態です。ちなみに、わたしがいつも聴いている音楽CDで、これは!と思うのはこの3枚で、まずお勧めするのはドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』(1982年)。この人、ジャンルはロックの範疇に入るでしょうが、このCDはレゲエ、R&B、ラテン音楽、ジャズの要素を融合して、かつ洗練された作品になっています。あの桑田佳祐氏も音楽本の表紙で、このジャケットをオマージュしています。
あとは、ジャズピアニストのビル・エヴァンス『JazzHouse』(1969年)。彼はスローな名曲も多いですが、ここでは大好きな早弾きの曲がライブ録音されているのが嬉しい。それから「ボハ・ノヴァの女王」と呼ばれるアストラッド・ジルベルトのデビュー作『おいしい水』(1965年)は、スタンダード曲が満載でどなたでも聞きやすい内容になっています。いずれも古い作品ばかりですが、決してハズレはないと思うので、「温故知新」一度お聴きになってはいかがでしょうか。
紫野 今宮神社 2019.01.02
謹賀新年。みなさま明けましておめでとうございます。本年も引き続きよろしくお願いいたします。ことしは我々にとって大きな出来事であろう10月1日に消費税率引上げや軽減税率導入など控えていますが、まずは年明け早々から個人納税者の方々の年末調整(法定調書)や確定申告を手始めに、その後は平成30年度改正による新しい所得拡大促進税制や平成31年4月以降取得の設備投資への優遇税制などフォローしていければと思っています。
元旦は冬らしい寒さでしたが一日天気もよく、気持ちよく出かけることができました。ことしは恒例の墓参りのあと、京都市北区紫野にある「今宮神社」へ行ってきました。堀川北大路と千本北大路のあいだにある今宮門前の交差点を北に入ったつきあたりに朱色をした大きな楼門(写真左)があります。ここをくぐると向こう側に本殿(写真右)があり、すこし並びましたが無事に参拝することができました。
ここの愉しみは、祭事で用いられた竹やお供え餅を、参拝する人に厄除けとして提供したのが始まりとされる「あぶり餅」。時代劇に出てきそうな門前の参道にある2軒の店はそれぞれ1000年前(平安時代からあり、日本最古の和菓子屋)、江戸時代初期の創業と伝わっています。何年ぶりかで来ましたが、竹串で刺したお餅にきな粉をまぶして炭火で焼き(写真左)、白味噌だれをつけてたっぷりのお茶(写真右)といただきます。いつ食べても変わらない、どこかなつかしい味。2軒の店とも、元旦朝から大勢のお客さんで満員になっていました。