日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2021年6月
岩船寺のアジサイ 2021.06.28
梅雨空の小雨模様の週末、「関西花の寺二十五か所霊場」の一つで、アジサイで有名な岩船寺(がんせんじ)へ行ってきました。岩船寺は京都府木津川市の山間部「当尾(とうの)の里」と呼ばれている地区で、自然豊かな山林に囲まれた寺。駐車場から山門までの小道には、写真のような近所の農家の人たちが設置した無人販売所(野菜だけでなく、梅干しや生かき餅もあります)がいくつかあり、里山の風情を味わうことができます。
境内ではアジサイが見ごろを迎えていて、たくさんの参拝者が訪れていました。聞くところによると、ホンアジサイやガクアジサイなど30種類のアジサイ合計約5000株が植わっていて、当日ほぼ満開で美しく咲き誇っていました。やはりアジサイの花は、晴天の日よりこのように梅雨の小雨の中で鑑賞するのが合っているようで、紫や水色など色とりどりの花、まわりの木々の新緑とむこう側の朱色の三重塔(国の重要文化財)と、それぞれよく映えていて、心落ち着く時間を過ごすとこができました。
「中小企業投資促進税制」、指定事業が拡大されています 2021.06.21
「中小企業投資促進税制」とは、中小企業者等が特定機械装置等(① 機械装置(取得価額160万円以上) ② 測定工具及び検査工具、試験又は測定工具(1台120万円以上ほか) ③ 一定のソフトウェア(70万円以上又は年度合計70万円以上) ④ 貨物運送用3.5トン以上の普通貨物自動車等)の取得等して、その法人の営む指定事業の用に供した場合、一定の取得価額の(A)30%相当額の特別償却(B)7%相当額の特別税額控除((B)は法人税の額の20%相当額を限度、超える部分の金額は1年間の繰越し:資本金3,000万円以下の法人のみ)の選択適用ができるというもの。
中小企業にとって、限られた資金のなかで必要不可欠な買い替えなどの設備投資を行うことは大きな負担ですが、この「中小企業投資促進税制」をうまく活用することで、設備投資によるキャッシュ・アウトの一部を早期に回収することができます。たとえば、製造業の場合では、1台又は1基あたりの取得価額が160万円以上の機械装置を取得することはそれほど珍しくなく、この制度を適用することはよくあります。
今回の令和3年度税制改正により、従来の対象範囲となっていなかった事業(① 不動産業 ② 物品賃貸業 ③ 料亭等)でも上記の指定事業に加えられることになりました。適用時期は令和3年4月1日以後に取得等する特定機械装置等となります。したがって、事業年度の途中からでも「中小企業投資促進税制」の適用が変わることになりますので、留意が必要です。
金融庁より「国際金融センター 特設ページ」が開設されています 2021.06.14
先週11日(金)朝のTVニュースで『金融庁が海外ファンドを日本に誘致するため、手続きをすべて英語で対応するサポートオフィスを東京・兜町に開設した』と報道されていました。英語で対応する拠点を設けることは、海外から日本にエントリーする際のゲートになり、政府は従来から「世界に開かれた国際金融センターの実現」を目指すとしていて、このように金融機能の強化を図っていく方針のようです。
すでに金融庁は、ことし3月から日本への参入・拠点開設を検討する海外金融事業者向けに、創業・生活面での支援情報や関連政策等を発信していく「国際金融センターInternational Financial Center JAPAN 特設ページ」を開設しています。(https://www.fsa.go.jp/internationalfinancialcenter/)この特設ページでは、海外ファンドなどの資産運用ビジネスを始める方だけでなく、日本で創業される方や生活される方をサポートする内容がきめ細かく掲載されています。
また、「創業に関するサポート」のページでは、日本で新規に拠点開設を検討している外国人・海外金融機関事業者の参入に必要な法人設立登記や在留資格取得など、負担になりやすい手続きを軽減する取組みが案内されています。そのなかで、創業支援可能な業者として、外国語対応可能な士業(行政書士、税理士、弁護士、公認会計士、司法書士)のリストも掲載(https://www.fsa.go.jp/internationalfinancialcenter/our-support/business/notary/)していて、特設ページを閲覧したどなたでも活用できるシステムになっています。
「所得拡大促進税制」は今年度から一部見直し・簡素化 2021.06.07
一定の要件を満たしたうえで前年より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる中小企業者における「所得拡大促進税制」、適用期限が2年間延長(2021年4月1日から2023年3月31日までに間に開始する事業年度)されました。また、新型コロナウイルスの影響による雇用環境の悪化の中、雇用を増やすことにより所得拡大を図る企業をより評価するよう適用要件も一部見直し・簡素化されています。
従来の制度では「継続雇用者給与等支給額」(継続雇用者・・前事業年度・当事業年度共に在籍(つまり24か月)していた雇用者)が前年度比で1.5%以上増加していることが要件の一つでしたが、今回「給与等支給総額(企業全体の給与)」が前年度比で1.5%以上増加していれば税額控除が適用できるように改正されています。
つまり、継続して雇用している従業員のみでなく、新規雇用者への給与も税額控除の適用可否の対象になり、従業員の新規雇用を積極的に行う企業を税制で優遇する制度に変わりました。われわれ税理士にとっても、「所得拡大促進税制」の税額控除の計算にあたって、従業員給与等から継続雇用者のものを抽出する必要がなくなり、結果的として税務申告書作成の事務負担軽減にもつながることになります。