日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
2021年7月
消費税の年11回中間申告、申告期限延長法人は今回8月から 2021.07.26
令和3年3月31日以降に終了する事業年度の属する課税期間から適用されている「消費税の申告期限の延長の特例」。3月末決算法人ついては、令和3年3月の決算末までに『消費税申告期限延長届出書』を提出していれば、申告納税の期限は通常の5月31日から6月30日に1か月間の延長が認められています。(ただし、延長された期間に係る利子税を納付する必要があります)
ところで、令和3年4月からの新事業年度(令和4年3月期)で年11回中間申告が適用される法人については、例年では最初の2か月分(つまり、2回分)を7月末までに申告納付を行い、それ以降は8月末、9月末、10月末・・4月末まで1回分ずつ(計9回分)申告納付することになっていました。今回「消費税の申告期限の延長の特例」を適用した法人については、最初の3か月分(つまり、3回分)を8月末までに申告納付を行い、それ以降は9月末、10月末・・4月末まで1回分ずつ(計8回分)の申告納付へ変更されています。
年11回中間申告が適用される法人(直前の課税期間の確定消費税額4,800万円超)の中には、例年では7月中に届くはずの2回分の消費税中間申告書が届かず税務署に確認された方もいるかもしれません。申告期限の延長を適用している法人については、今回8月中に3回分の消費税中間申告書が届くことになりますので、あらかじめ納税資金などに配慮する必要があります。
申告書等の「脱ハンコ」と電子署名 2021.07.19
国・地方公共団体を通じたデジタル・ガバメントの推進による行政コストの削減や感染症の感染拡大により、税務手続の負担軽減のため、税務署長等に提出する国税関係書類のうち納税者等の押印を求めているものについては、その押印義務が廃止(「脱ハンコ」)されました。(相続税等の添付書類である遺産分割協議書など、実印による押印や印鑑証明書を添付するものを除く)また、地方公共団体の長に提出する地方公共書類も同様に押印義務が廃止されています。
これにともなって、法人税確定申告書の様式については「代表者記名押印」から「代表者」へ、地方税確定申告書の様式も「代表者氏名印」から「代表者氏名」に変更され、われわれの「税理士署名押印」欄も「税理士署名」になっています。(令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類に適用)
ただ、弊所も含め、かなりの税理士事務所は確定申告書のみならず予定申告書、中間申告書も現在はオンラインによる電子申告・納税システム「e-Tax」で申告しています。その際には署名押印に相当するものとして、電子署名を行うことになりますが、それに関して変更はありません。押印義務の廃止はあくまで書類で申告する場合に限られます。いずれにしても、この押印廃止が税金に関する手続きのさらなるオンライン化になればと思います。
コロナワクチン、職域接種を受ける 2021.07.12
先週末、不要不急でない新型コロナワクチンの職域接種で大阪へ。わたしの年齢では住んでいる市のお知らせによると、接種の予約開始日は8月20日・接種開始日は9月1日以降とのこと。そこで、この職域接種を実施する企業の社員ではないですが、受けることが可能ということなので、接種させていただくことに。今回は1回目の接種で、現在のところ特に目立った副反応もなく接種したことも忘れてしまうほど、次回の接種日も決まっています。
ところで、この職域接種を実施する企業では、会場の使用料や運営費用など、一定の会場準備費用が発生します。これについては最新の『週刊 税務通信(2021年7月5日:No.3661)』に詳しく解説されていて、自社の従業員等に限らず、関連会社・取引先の従業員、自社従業員の同居家族に費用をもとめない場合でも、実施した企業は会場準備費用を寄附金や交際費の額に含めず、また被接種者も所得税の課税対象にしないとのことです。
このあと、一度行ってみたかった接種会場近くのアンティークビル「大阪農林会館」(大阪市中央区南船場)へ少し寄り道しました。このビルが建てられたのは昭和5年(1930年)ですので、すでに90年以上経過していますが、見た目はわたしが想像していた以上に古かった。中のテナントには、レストラン、ブティック、雑貨屋や美容室など(1件 会計事務所も)あり、建物が建物なんで実際よりマニアックに見えてしまいます。写真右は1・2F階段の踊り場からのエントランス・ホールの様子。年代を感じさせる市松模様のタイル使いや大時計がレトロ感を醸し出していました。
「月次支援金」を受給した滋賀県の事業者は、「滋賀県事業継続支援金」の申請を 2021.07.05
長引く新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている滋賀県内の中小企業者等の事業継続を支援するため創設された「滋賀県事業継続支援金」、2021年4月から6月のいずれかの月の売上が2019年または2020年の同月と比較して50%以上減少した場合に支給される支援金で、先月24日に関係企業・事業者や関係機関へ周知されました。
この「滋賀県事業継続支援金」の売上減少の条件は、現在申請期間中の「(国の)月次支援金」と同じため、「月次支援金」を受給した滋賀県内の中小企業者等については、『国から「月次支援金(2021年4月~6月のいずれかの月分)」が受給されたことを示すもの』を他の必要書類と共に提出することで、支援金の申請をすることができます。また、売上げ減少が緊急事態措置またはまん延防止等重点措置を伴わないため、「月次支援金」を受給していない中小企業者等も、「滋賀県事業継続支援金」の受給条件を満たせば申請することができます。
支給額は中小企業等 20万円、個人事業主 10万円で「月次支援金」と同額ですが、申請回数は1事業者1回までで、1か月ごとに支給される「月次支援金」とは異なります。申請期間は令和3年8月上旬開始を予定しており(9月30日まで)、問い合わせ先は滋賀県商工観光労働部商工政策課企画・イノベーション推進係(077‐528‐3723)になっています。