日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
税引後当期利益+減価償却費≧借入金返済額 2019.06.24
今月は何社か決算時の打ち合わせがあり、その後その資料をもって金融機関へ説明に行ったりしています。打ち合せの内容としては、損益状況の年度ごとの推移、貸借対照表から作成したキャッシュ・フロー計算書による資金繰りの状況、そして借入金の翌期以降の返済予定などです。中小企業にとっては損益上の利益も必要ですが、それ以上に資金繰りをいかに安定させるかがより重要になります。
会社の資金繰りの状況については、キャッシュ・フロー計算書までいかなくても「税引後当期利益+減価償却費」の計算である程度は判断することができます。というのも、減価償却費は資金が出ていかない経費だからで、翌期の達成可能な(保守的な)損益計画に基づいた「税引後当期利益+減価償却費」が、翌期の金融機関への「借入金返済額」を上回っていれば、翌期では借入金元金は返済できる状態なので、会社経営としてはひとまず安心といえます。
一般的に資金繰りを安定させるには、売上債権の回収の早期化や手持ち在庫を減らすなどよく言われます。ただし、取引相手があってのことなので、とくに中小企業にとって大手の相手先に改善をお願いするのはなかなか難しいです。まずは、会社内部で改善できるような、役員に対する保険契約の再考や固定資産の選定などが考えられます。