日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
「消費税インボイス制度」、免税事業者は対応の検討を 2021.08.23
令和5年10月1日から、消費税は「適格請求書等保存制度」(いわゆる「インボイス制度」)が導入され、課税事業者である買い手は「適格請求書(インボイス)等」を保存しないと仕入税額控除を受けることができなくなります。これによって、売り手としては「適格請求書(インボイス)発行事業者」になる必要が出てきて、そのための「適格請求書発行事業者の登録申請書」の受付が、令和3年10月1日より各所轄税務署にて開始します。
最近われわれ税理士が参加する研修でも、消費税インボイス制度をテーマとするものが多くなってきまました。弊所でも関与先様へインボイス制度を簡潔にわかりやすく解説したTKC冊子「消費税インボイス制度特集号」を配布して、事前に対応できるようにさせていただいています。
インボイス制度の中で気を付けないといけないのは、免税事業者(基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下)は取引先が仕入税額控除を受けるため、その免税事業者が「適格請求書等」を発行し、あえて課税事業者になるかどうかの問題です。顧客が消費者のみの場合などを除いて、多くの免税事業者は買い手と取引を続けるため、新たに消費税の申告・納付が発生しても、課税事業者を選択するのではないが予想されます。いずれにしても、免税事業者の方はご自身の事業実態等を踏まえ、課税事業者を選択するがどうか検討が必要になってきます。