税理士ブログ Blog

日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。

今回限り「人材確保等促進税制」 2022.05.16

この5月は3月末決算法人の決算申告作業で忙しい時期。そのような中、今回適用される「人材確保等促進税制」は、適用対象が青色申告書を提出する全企業(中小企業者等は「所得拡大促進税制」でも可)で、適用期間は令和341日~令和4331日までの間に開始する各事業年度、つまりこの決算が最初で最後の適用になります。ただ、今回限り適用にもかかわらず、「人材確保等促進税制」は複雑かつ面倒な要件が多く、少々やっかいな制度になっています。

たとえば、適用要件(通常要件)は、『新規雇用者給与等支給額が前年度より2%以上増えていること』ですが、前年度分の「新規雇用者比較給与等支給額」については、その雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額が対象になるため、前々年度に中途採用した雇用者の給与等も比較対象になり得ます。また、コロナ禍で雇用調整助成金(雇用安定助成金)を受け取っている場合、当期および前期の国内雇用者および国内新規雇用者に対応する各雇用調整助成金の金額を算定することになります。

適用要件や税額控除の計算では、雇調金の金額を給与等の支給額から控除したり、しなかったりと方法が異なるので、申告書 別表六(二十七)の作成過程で雇調金の金額が正しく反映しているか確認する必要があります。いずれにしても、給与等の支給額などの基本的なデータ収集が重要ですので、総務や人事担当者に制度の内容を正しく理解してもらわなければいけません。ちなみに、経済産業省の『「人材確保等促進税制」御利用ガイドブック(令和456日 改訂版)』は、16ページにわたって制度の内容が簡潔に網羅されているので参考にされるとよいと思います。IMG_0313