日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
新しいグループ通算制度、中間申告がスタート 2022.10.31
令和4年4月1日からスタートした「グループ通算制度」、連結納税制度の適用期間中はありませんでしたが、ことしより各通算子法人へ所轄税務署から法人税および地方法人税の中間申告書および納付書(11月30日(水)期限)が送られてきます。予定申告の場合、申告・納付額を「前期実績基準額」といい、『前事業年度の確定法人税額(連結法人税個別帰属額) × 中間期間の月数(6か月)/前事業年度の月数(12か月)』で計算された金額ですが、念のために前期の法人税個別帰属額に基づき一致するか確認されるとよいと思います。
また、「グループ通算制度」では、原則として各通算子法人が各法人で申告および納付を行いますが、通算親法人が一括して申告および納付をすることも可能で、そうすることによりグループ全体の事務負担を軽減することもできます。なお、予定申告に代え仮決算による中間申告も可能ですが、この場合には通算グループ内のすべての法人が仮決算による中間申告書の提出が必要になります。
一方で、地方税の中間申告については、地方税が連結納税制度の対象外であったため、昨年と同様の中間申告を行います。予定申告の場合、各法人の前期納税額を基準として納付することになりますが、予定申告書の提出については、みなし申告規定により省略が可能です。ことしは中間申告分(予定申告分)の法人税および地方法人税の納付額だけ昨年より早く納付することになり、会社の来月11月の資金繰りについては留意しておく必要があります。