日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
「国外財産調書」の提出を求められる方とは 2023.01.23
令和4年分の確定申告・贈与税申告はコロナ禍以前と同様、令和5年3月15日(水)までで、現在のところ、令和3年分の確定申告であった新型コロナで確定申告が困難になった方のための簡易な方法での申請期限・納付の延長、令和元年・2年分での一律での期間延長のような特別な措置もなく、4年ぶり通常どおりの申告・納付スケジュールになっています。また、確定申告・贈与税申告のほか令和5年3月15日(水)までに提出しないといけないものとして「財産債務調書」や「国外財産調書」があります。
とくに「国外財産調書」については、居住者(「非永住者」の方を除く)の方で、令和4年12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方に提出を求められます。kaigaizaisan_tirashi.pdf (nta.go.jp)したがって、日本の国籍を有しない方でも、過去10年間の期間で国内に住所又は居住を有していた期間の合計が5年を超えることになった場合(非永住者以外の居住者)、本国にて5,000万円を超える財産を有していた方には「国外財産調書」の提出義務が生じます。
一方で、令和5年分以後の「財産債務調書」の提出義務者や提出期限などの見直しが行われ、それに伴い「国外財産調書」についても一部見直しがあります。zaisan_leaflet.pdf (nta.go.jp)そのなかで大きな改正として、令和5年分以後の調書の提出期限がその年の翌年の3月15日から6月30日へあと倒しされ、記載についても資産ごとに区分していたものが総額にて記載できることになりました。これにより、令和5年分以降は確定申告と同じ時期に作成する煩雑さがなくなり、またわれわれ税理士にとっても確定申告の提出義務はないが、調書の提出義務がある方に対して、より対応しやすくなることになりました。