日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
来日5年を経過する外国人の方、来年確定申告が必要なケースも 2023.10.02
ことしも残り3か月を切り、そろそろ来年3月15日に期日となる令和5年分の確定申告が必要かどうか、そして納税額がどのくらいになるか、前もって確認しておく時期になりました。とくに日本にお住いの外国人の方で、もしことし来日後5年を経過し、本国で不動産所得や年金所得などがある場合、日本国内で確定申告が必要なケースも考えられますので、自身の申告要否の把握が必要です。
日本の所得税の取扱い上、日本に居住する外国人の方はその居住形態によって、課税される対象の所得が大いに異なります。まず、「居住者」、「非居住者」のどちらに該当するか、そして「居住者」に該当した場合でも「非永住者以外の居住者(永住者)」か「非永住者」を判定することが重要です。そのうち「非永住者」とは、『居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人』になります。No.2010 納税義務者となる個人|国税庁 (nta.go.jp)
そして、「非永住者以外の居住者(永住者)」の方の課税対象の範囲は、所得が生じた場所が日本国の内外を問わず、そのすべての所得に対して課税対象(全世界課税方式)になります。したがって、年の中途で5年が経過し「非永住者」から「非永住者以外の居住者(永住者)」になった場合、それ以降の期間(令和5年6月30日で5年経過のケース:令和5年7月1日~12月31日)は本国で生じた所得も含めて、日本での確定申告(令和6年3月15日まで)が必要になると考えられます。