日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
完全親会社への配当等、支払調書の提出は不要です 2024.03.10
令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当等で「完全子法人株式等」及び「発行済株式等の1/3超を有する株式等のうち、自己の名義をもって有するもの」(内国法人に限る)に係る配当等については源泉徴収が不要となりました。これは以前にもお話した会計検査院の指摘(2017~19年度にのべ888社で約3億6500万円の還付加算金が生じていた)や源泉徴収事務の効率化などに基づく改正です。0023004-040.pdf (nta.go.jp)
一方で『配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書』という法定調書の1つがあり、配当を行う法人が株の配当金や利益剰余金の分配、配当を実施した場合、これらを受け取る対象ごとに「配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書」を作成し所轄税務署へ提出(原則1回3万円超、支払確定日または支払日から1ヶ月以内)します。また、配当金や剰余金等を受け取る方へそれぞれ同支払調書を交付します。F1-9 配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書(同合計表)|国税庁 (nta.go.jp)
しかし、税務署へ尋ねたところ、源泉徴収を要しない完全子会社法人株式等に該当する株式等に係る配当等については、配当等の支払調書の提出は要しないとのことです。また、所得税徴収高計算書(納付書)についても配当の支払が完全親会社等にのみである場合、給与の支払いときのような支払額を記載して税額をゼロと記載することはなく、納付書自体提出することは不要です。