日々、税理士業務を行うにあたって、経験したこと、感じたことを関与先の守秘義務を順守しつつ、わかりやすく文章にしていきたいと思いますので、お付き合いください。
「事業再構築補助金」第2回公募を開始しました 2021.05.24
令和2年度第3次補正予算によりポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の事業再構築を支援する「事業再構築補助金」、第1回公募は4月30日で締切りになりました。第1回公募の採択発表は6月上旬~中旬頃の予定で、申請者全員に対し採用・不採用の結果が事務局から通知されるとのことです。
そして、先週5月20日(木)より第2次公募がすでに開始しており、申請受付は5月26日(水)から、第1回公募と同じく電子申告システムのみ受付けです。(7月2日(金)18:00まで)『事業再構築補助金 公募要領(第2回)1.0版』によると、この補助金の対象者に「コロナ以前(2020年3月31日以前)から創業を計画等しており、2020年4月1日から2020年12月までに創業した中小企業者等」が加えられました。この場合、売上高減少要件や事業計画書に別途の条件がありますので、詳細は『公募要領(第2回)1.0版 2.補助対象者』をご参考にされるとよいと思います。
また、第1回公募で不採用になった事業者は第2回以降、第2回公募で不採用になった事業者は第3回以降、事業計画の見直しを行った上で再申請することができます(前公募回の採択結果公表までの間は、システム上で申請の受付不可)。現在のところ、さらに3回程度の公募を予定していて、十分な準備の上、適切なタイミングで申請・補助事業を実施できるようにしています。
確定申告の所得税・消費税は振替日が近づいています 2021.05.17
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延長された令和2年分の確定申告(所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の納期限は、先月4月15日(木)で終了しました。これにともなって、振替納税の振替日についても、消費税等が令和3年5月24日(月)、所得税等が令和3年5月31日(月)に延長されていました。
個人事業者で振替納税を選択された方は、来週からの振替予定日(5/24、5/31)に、納税額の引落しで指定口座に残高不足が生じることはないでしょうか。もし、振替納税による口座引落しができなかった場合、あらためて指定金融機関又は所轄税務署の窓口で直接納税することになり、かえって手間が増えてしまいます。また、当初の申告税額のほか延滞税として、さかのぼって令和3年4月16日(納期限の翌日)から完納の日まで期間で計算した金額(最初の2か月を経過する日まで:年2.5%の割合)も併せて納付する必要がでてきますので、念のため残高金額を確認することをおすすめします。
固定資産税納税通知書では、減免特例の適用の確認を 2021.05.10
5月に入って各納税者へ令和3年度の固定資産税納税通知書が届いているものと思います。そのなかで、ことし1月末まで新型コロナウイルスの影響により令和3年度で「固定資産税減免特例」の適用申請を行った中小企業者は、その申請が正しく反映されてますでしょうか。大津市のケースでは、特に適用された旨の記載はなく、「本年度固定資産税課税標準額(円)」、「本年度都市計画税課税標準額(円)」が減額(結果、これで計算された「税相当額(円)」も減額になる)されているのみですので、物件ごとに確認が必要と思われます。
また、固定資産税の納税方法については一括納付と分割納付(5/31、8/2、12/15、翌年2/28の計4回:大津市)の選択適用になりますが、分割納付を選択した事業者ですべての固定資産税を納税する前に決算期を迎えた場合、未納分の固定資産税は未払計上(租税公課 × × /未払金 × ×)することができます。たとえば、今月5月末に決算期の法人で分割納税を選択した場合、8/2、12/15および翌年2/28の3期分の固定資産税は未払計上でき、法人税等の納税額の減額が可能です。
納税通知書の中の固定資産税(土地・家屋)課税明細書には、それぞれ「評価額(円)」が記載されていて、一般的にこの固定資産税評価額については、土地は公示地価の約70%、建物は建築費の約50~70%といわれています。一方で、土地の相続税評価額(路線価)は公示地価の約80%とされているので、固定資産税評価額から土地の相続税評価額(路線価)をある程度推算できます。(貸地や賃貸物件が立っている土地は、一定の借地権割合や借家権割合相当分の減額が必要)
近畿税理士会では「外国語対応税理士紹介制度」がスタートしています 2021.05.02
令和3年4月1日より、近畿税理士会(国際部)では、日本語での対応が困難な外国の方からの外国語で対応可能な税理士(英語・中国語及び韓国語)の紹介依頼に応じるべく、「外国語対応税理士紹介制度」を創設しました。
制度の詳細については、近畿税理士会のホームページ『TOP画面 > 役立つ情報を!●国際的業務に関する情報 > 情報収集・相談窓口について 外国語対応税理士紹介制度』で確認することができます。(https://www.kinzei.or.jp/support/inter_national.html)
紹介を希望される方(個人・法人問わず)は、ホームページにある様式「税理士紹介依頼書兼報告書」にご記入の上、国際部までメール(kokusai@kinzei.or.jp)又はファックス(06-6942-2182)にてお申込みいただけます。(紹介依頼書を受信してから、後日メール又は電話でご連絡いたします)
「事業再構築補助金」第1回公募 2021.04.26
ウィズコロナ時代に企業の思い切った事業再構築を支援する「事業再構築補助金」、先週第1回公募に関与先様の補助金の申請しました。「GビズIDプライムアカウント」は公募期日(4月30日18:00まで)まで取得できないので、かわりの「暫定プライムアカウント」の発行で申請手続きは支障なく進めることができます。さらに、なじみのない「経済産業省ミラサボplus」の会員登録も必要なので、最低限の入力箇所(直近の財務数値など)のみ入力し、プリントアウトしてPDFで添付します。
電子申請システムの入力作業は、毎年やっている「公益法人information(システム)」にログインし入力していく財団法人や社団法人の実施報告書のそれに近いです。売上高減少の内訳や収益計画はその数値を直接入力することになりますが、申請要件(売上高10%要件など)に合致していなければ前に進むことができないので、自然に数値の不具合に気づく仕組みになっています。PDFに展開して添付する事業計画書については、『公募要領(第1回)』に「A4サイズで計15ページ以内の作成」となっていますが、あまり枚数には気にせず『事業再構築指針の手引き』にある「定義」、「要件」、「要件を満たす例」などで、求めていることをはずさないように留意して作成しました。
別件の「一時支援金」(こちらの申請期間は5月31日まで)は、事前確認をした事業主様から入金があったとの連絡がありました。申請完了から早々に10日程度での受給でしたが、「事業再構築補助金」については、インターネットを見ると、今のところ申請代行会社等からいろんな情報が飛び交っている状況です。
確定申告、延長された期限(4/15)までに申告が困難な場合 2021.04.19
新型コロナウイルスの感染が再び拡大する中、1か月延長された確定申告期限の4月15日が経過して、なお申告・納付等が困難な場合について、国税庁は4月6日付ですでに個別延長の取扱いを明らかにしています。(『国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ』)
それによると、新型コロナウイルス感染症の影響により期限(4/15)までに申告・納付ができないと認められるやむを得ない理由がある場合は、所轄税務署長へ『災害による申告、納付等の期限延長申請書』を提出することにより、所轄税務署長が指定した日(その理由がやんだ日から2か月以内の範囲)まで期限を延長することができます。(「FAQ 問1-2.」)したがって、これまで認められていた・・申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と所定の文言を記載する「簡易な方法」・・は改められています。
ここでの「期限の個別延長が認められるやむを得ない理由」には、主なものとして、① 税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含む)が感染症に感染したこと ② 納税者や経理担当者の(青色)事業専従者が、感染症に感染した、又は感染症の患者に濃厚接触した事実があること ③ 納税者が、保健所・医療機関・自治体等から外出自粛の要請を受けたこと(「FAQ 問2.」)などがあげられています。
「事業再構築補助金」、4月15日より申請受付け開始します 2021.04.12
3月26日から公募が開始されている「事業再構築補助金(第1回)」、今週4月15日より申請の受付けが開始されます。すでに公募にともない『公募要領(第一回)』が公表されていて、申請要件の具体的な内容もわかるようになってきました。まず、「事業再構築補助金」は電子申請のみ可能で、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要になりますが、公募時点で電子申請の需要増加で「GビズIDプライムアカウント」の発行に最大3~4週間程度かかっているとのことです。これでは公募期間中に申請が不可能なため、特例措置として最大48時間程度で発行可能となる「暫定GビズIDプライムアカウント」で申請が可能になりました。(事後的に「GビズIDプライムアカウント」の取得は必要)
申請の添付書類で一番重要になる「事業計画書」については、『公募要領(第一回)』にある「10.事業計画作成における注意事項」に沿って作成することになります。これには、経済産業省『事業再構築指針の手引き(1.1版)』で事業再構築の類型(新分野展開、事業転換など)ごとに「定義・事業計画で示す事項・満たすべき要件など」が具体的に記載されています。「事業計画書」にあたっては、これら条件をクリアしつつ作成するのも一つの方法ではと思います。
なお、第1回の公募締め切り(4月30日)後、さらに4回程度の公募を予定していて、第2回の公募は5月から開始するとのことです。ただ、公募の内容はその都度改定されますので、いつも最新のものをホームページ等で確認する必要があります。
大原野菜とスグキ漬け 2021.04.05
週末、小雨まじりの天気のなか、野菜と漬物を買いに大原へ行ってきました。朝早く自宅を出て、琵琶湖大橋から伊香立を経て、途中峠を越えると一時間ほどで四方を山で囲まれ、高野川が流れる大原盆地に着きます。せっかくなので、開門早々で参拝者もまばらな「大原 三千院」へ寄ることに。ここに来るまで山に自生している満開の山桜を見てきましたが、三千院境内の桜も雨にぬれた苔の緑とのコントラストが映え、奥の院にある枝垂れ桜もちょうど見頃をむかえていました。
その後、採れたての大原野菜が手に入る「里の駅 大原」へ。ここは大原や近郊の静原で採れる野菜や加工品・特産品を取り扱う直売所。写真は「のらぼう菜」というアブラナ科の野菜で、夕食にゴマ和えして食べると苦味もエグ味もなく美味しかった。
また、長らく食べていなかった「酸茎(スグキ)漬け」も見かけました。スグキは日本では珍しい乳酸発酵させたカブラの茎と葉の漬物で、「柴漬け」や「千枚漬け」と並んで京都の三大漬物と呼ばれています。久しぶりに自宅で茎の方を大きく切って食べてみると、独特の酸味もほどよくて、淡白なごはんともよく合う味覚です。
滋賀県、飲食業ほかの事業販路開拓等の支援策を発表 2021.03.29
先週、滋賀県より緊急事態宣言の再発令により影響を受けた県内の中小企業等を対象に『新型コロナウイルス感染症対策経営力強化支援事業【緊急枠】』として、「売上確保のために行う緊急的な取組に必要な経費の支援(A)」および「国の一時金支援金(B)への上乗せ」が実施されることが発表されました。((A)、(B)いずれか一方のみ申請可能)
(A)の売上確保支援の場合、対象者は飲食業・飲食関連事業を中心に緊急事態宣言の再発令により影響を受けた県内の中小企業者等(対象業種は飲食業以外にも多岐にわたっており、申請時に確認が必要です)で、飲食店の時短営業または不要不急の外出・移動の自粛により、2019年比または2020年比で2021年の1月、2月または3月の売上が30%以上減少(国の一時支援金は50%以上減少で、適用範囲が広いです)している県内に事務所または事業所を有する事業者になります。
(A)の売上確保支援の対象事業は、売上確保のために実施する販路開拓等の取組に必要な経費(例:テイクアウトやデリバリーに要する経費、新商品開拓や新業態への進出に要する経費)が対象で、実際に購入したことが分かる領収書・レシートが必要ですが、支援される補助金は限度額 50万円(下限 20万円)・補助率 9/10以内になります。受付期間はオンラインによる申請であれば令和3年3月26日~4月30日(郵送申請:4月5日~4月23日)、問い合わせは滋賀県経営力強化支援センター(0570‐087‐770、平日 9:00~17:00)で、すでに受付を開始しています。
この年度末から『消費税申告期限延長届出書』の提出が可能です 2021.03.22
令和2年度税制改正により、消費税にも、法人税や住民税で可能だった申告期限の延長が認められるようになりました。すでに法人税で申告期限延長を適用している法人にとって、法人税の申告作成過程で生じた消費税の申告内容の変更に期限内で対応でき、決算期末から申告までの事務負担の軽減にもつながります。
この改正は、令和3年3月31日以降に終了する事業年度の属する課税期間から適用されます。延長申請は「適用を受けようとする事業年度の属する課税期間の末日まで」で、この年度末決算から適用するのであれば、『消費税申告期限延長届出書』を今月31日までに提出する必要があります。
ちなみに、消費税の還付を早く受ける等の理由により「消費税の課税期間の特例」を選択している法人は、事業年度の初日から3か月または1か月ごとに区分した各期間を課税期間として消費税の申告をしています。ただこのような場合、事業年度の各課税期間のうち事業年度の末日に属する日の課税期間のみ、申告期限の延長が適用されますので注意が必要です。